ビートルズ研究家も驚き「当時の未発表曲かと思った」“謎の日本人4人組”バンドの実力

現在の日本でビートルズ研究家の“第一人者”が、驚きの一曲を発見した。元CDジャーナル編集長の藤本国彦氏。「最近、ビートルズの未発表曲かと思った」という楽曲を耳にしたという。

「The Kafers」
「The Kafers」

元CDジャーナル編集長の藤本国彦さんが語るThe Kafers「Crying For The Moon Instead」

 現在の日本でビートルズ研究家の“第一人者”が、驚きの一曲を発見した。元CDジャーナル編集長の藤本国彦氏。「最近、ビートルズの未発表曲かと思った」という楽曲を耳にしたという。

「The Kafers(ザ・ケイファーズ)の『Crying For The Moon Instead(クライング・フォー・ザ・ムーン・インステッド)』という曲です。今月からダウンロードが開始されました。聴かせてもらって、“ああ、これは本当にいいな”と思いました。まず、タイトルはたぶん『アイル・クライ・インステッド』のもじりでしょう。ギター・ソロはビートルズが大きな影響を受けたバディ・ホリーの『クライング・ウェイティング・ホーピング』の間奏をすぐに連想させるフレーズで、しかも本当にそれ風に演奏されています。さらにその少したどたどしいところも“きっとジョージが弾いたらこうなるな”という感じなんです」

 藤本氏と言えば、今年の5月に緻密な筆致で解散間際のビートルズを描いた「ゲット・バック・ネイキッド」を上梓。ファンの中でも一目置かれるビートルズ研究家だ。11月30日にもジョン・レノンの生誕80周年にちなんで「ジョン・レノン伝」を発行し、ちまたで話題を呼んでいる。

「ビートルズには213曲のオフィシャル音源がありますが、私はBBCライブの音源の方が好きなんですね。なぜかというと、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人が一発録りをしていて、そんな生々しさが、ハンブルグやキャバーン・クラブでの演奏も“こんな感じでやっていたのかな”と想像させるからなんです。最初に『Crying For The Moon Instead』を聴いた時、当時のビートルズの未発表曲かと思いました。まさにあの頃のファブ4が2020年によみがえったという感じなんです」

 藤本氏はさらに「もしもポールならこういうベースラインを弾くだろう」「ビートルズを分かっている人間が作るとこうなる」「ビートルズマニアが聴けばかゆいところに手が届くという感じ」と、The Kafersという“謎のバンド”を絶賛する。

 もし、藤本氏と同じように、デビューしたての頃のビートルズがその勢いのままにライブ録音したBBCの音源が好きだというマニアなら、一聴する価値ありだ。

 そして、聴けばきっと、1950年代のロックンロールを基盤とし、60年代にさらに魅力的な音楽に発展させて世界中から愛された、若き日のビートルズの躍動するサウンドが味わえるはずである。

□藤本国彦(ふじもと・くにひこ)1961年東京生まれ。ビートルズ研究家、著述家。10代の頃に魅了されて以来、ビートルズを愛し、聴き続ける愛好家。マニアが高じて研究家となる。音楽情報誌「CDジャーナル」勤務を経て、2015年からフリーランスとして活躍。ビートルズ関連書籍の編集、執筆、また「ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK」の字幕監修を務める。今年に上梓した「ゲット・バック・ネイキッド」「ジョン・レノン伝」の2冊が好評発売中。

□The Kafers(ザ・ケイファーズ)“ビートルズを愛する日本人4人組”という以外は謎のバンド。藤本国彦氏をうならせた「Crying For The Moon Instead」は、今月からダウンロードが開始された。

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