MATSURIが誓うさらなる飛躍「何歳になっても本気で夢を追う」 “夢の街”だった東京で積んだ下積み
秋元康氏プロデュースの6人組昭和歌謡グループ・MATSURIが、3枚目シングル『恋の中央線』を10月14日にリリースする。コミカルだがキャッチーな表題曲に、メンバーによる初の作曲や名曲のカバーなどを盛り込んでいる。ENCOUNTはこの機に6人をインタビュー。制作の裏話、歌詞と重なるメンバー各々の下積み時代、抱くビジョンや夢などを聞いた。

発売を延期してまでも変更した表題曲「一度聴いただけで耳から離れない」
秋元康氏プロデュースの6人組昭和歌謡グループ・MATSURIが、3枚目シングル『恋の中央線』を10月14日にリリースする。コミカルだがキャッチーな表題曲に、メンバーによる初の作曲や名曲のカバーなどを盛り込んでいる。ENCOUNTはこの機に6人をインタビュー。制作の裏話、歌詞と重なるメンバー各々の下積み時代、抱くビジョンや夢などを聞いた。(取材・文=大宮高史)
元坂道メンバーの熱烈なクルマ愛「最初の一台は国産車」…現在の愛車を告白(JAF Mate Onlineへ)
――まず、『恋の中央線』を初めて聴いた時の印象を教えてください。
柳田優樹(以下、柳田)「今までのMATSURIの曲はすごくムーディーで大人っぽいものが多かったので、名前通りの『お祭り感』があるノリの良い曲がついに来たとうれしくなりました。振り付けはDA PUMPのTOMOさんで、僕らのこれまでのパフォーマンスとは違ったキャッチ―さがあります。勝負曲なので、TikTokなどでマネして踊ってバズってほしいですね」
松岡卓弥(以下、松岡)「本当に耳に残る曲ですよね」
渡辺真(以下、渡辺)「大人の恋愛を歌った曲でもあって、いろんな経験をしてきた僕らだからこそ味が出せると思います。うまく歌うだけなら、誰でもできるんです。でも、バックグラウンドがある人が歌うとその人にしかない魅力が出てくる。そこは僕たち、レコーディングではいつも意識しています」
――実は表題曲の変更があったそうですね。
柳田「最初は、カップリングの『ライ ライ ライ』が表題曲でした。もう、リリースを待つだけだったんですが、秋元康先生が『恋の中央線』のでも曲を聴いてすごく気に入ってくださって、『発売日を延期してでもこの曲を表題にしよう』と言っていただいたんです。僕らも一度聴いただけで耳から離れない曲だったので、延期も納得でした」
――『恋の中央線』の歌詞には、中央線、埼京線の駅名が登場します。皆さんにとって思い出のある街はありますか。
柳田「中央線は群馬の実家に帰る時、新宿から東京駅まで必ず乗っていた電車ですね」
橋爪健二(以下、橋爪)「上京して最初に4年間一人暮らしをしたのが高円寺です。東京での『初めて』をたくさん経験した街なので、すごく思い入れがあります」
鈴木渉(以下、鈴木)「中野に6年住んでいたので、街がどんどん発展していくのも見てきたので、なじみ深いですね」
渡辺「僕は上京して初めて住んだのが国分寺、高校が四ツ谷、バイト先が中野でした。10代から20代の青春が全部中央線に詰まっているのかも」
松岡「歌詞の中に埼京線の浮間舟渡が出てきます。ソロで活動していた時代に、その浮間舟渡にあるスタジオによく通って、レコーディングをしたり制作をしたりしていたので、すごく縁のある場所です。逆にその時期がなかったら、地名も知らなかったかもしれないです(笑)」
――すごく縁がありますね。それらのことは、秋元さんには伝えていたのでしょうか。
渡辺「いや、何も話していないんですよ」
松岡「どこまでリサーチされているか分からないです(笑)」
小野寺翼(以下、小野寺)「縁といえば、今回作曲をされた成瀬英樹さんと同じ事務所の白井大輔さんには、デビュー曲の『アヴァチュール中目黒』や2ndシングル『アガベの花』を書いていただいてきました。成瀬さんもそういうきっかけから僕らの個性を生かしてくれていたのなら、うれしいです」
――今作には、渡辺さんが作曲を手がけた『天秤座の男』も収録されています。
渡辺「以前からコーラスを作ったりしていましたが、もっと音楽面でできることとして『MATSURIでも作詞作曲をやろう』と決めて、今年の目標にしていました。1stと2ndのシングルを聴き込んで、秋元先生がMATSURIに歌わせたいムード歌謡の空気感をイメージしながら形にしていきました」
小野寺「渡辺がメンバーのことを考えて、それぞれの声が活きるキーを割り振ってくれて。キーが高くない僕にも歌い出しのおいしいパートをくれて、ディレクションも的確ですごく気持ちよく歌えました」
――さらにカップリングで郷ひろみさんの『お嫁サンバ』のカバーが収録されています。
松岡「郷さんの曲は初期からカバーしたいと目標にしてきたので、念願がかないました」
渡辺「郷さんってとにかく存在が特別で、僕らはものまねにならないように(笑)。あえて原曲を聴き込まず自分の解釈で歌うことを意識しました」
柳田「逆に僕は郷ひろみさんが大好きなので、思いっきりリスペクトを込めて、郷さん流のニュアンスで歌わせていただきました」
松岡「アプローチが真逆で面白いよね」

今後も続ける新たな挑戦「パラパラ楽曲をMATSURIでやってみたい」
――『恋の中央線』に『アヴァンチュール中目黒』と東京を舞台にした曲も歌っていますが、皆さんは全員が地方出身です。東京にはどんなイメージを持っていましたか。
松岡「僕にとっては『夢の街』でした。メンバー皆、芸ごとへの憧れがあって、『東京に出てこないと表舞台に立てないのかな』と思っていたんです。だから憧れの街でしたね」
柳田「そう。まだSNSも普及していなかったし、『とにかく東京にいないと何も始まらない』といった焦りもありました」
渡辺「その分、誘惑も多いですね。遊ぶこともできるし人生の選択肢も多いから、気持ちがブレそうになります。誘惑に負けずにいるのは、結構大変でした」
柳田「僕もアルバイト先の飲食店から、正社員にならないかと声をかけていただいたことがありました。うまくいかない時期は安定にひかれそうにもなるんですけど、正社員になるとオーディションを受けたりできる自由がなくなってしまうので、そこはこらえて(笑)、アルバイトを続けていました」
松岡「うちの鈴木は、看護師の職を辞めてオーディションに来ていたんです。普通、落ちた時の保険として籍を残しておくじゃないですか(笑)。『落ちたらどうするつもりだったんだろう』ってすごく思いました。それくらい覚悟がすごかったんです」
鈴木「不安だったからこそ、行動で意志を見せたつもりでした。オーディションが進むにつれて、周りには舞台経験者や歌手として活動してきた人たちがたくさんいて、自分には誇れる武器が何もないと感じました。それで退路を断って『合格させてもらえないと、もう行くあてがありません』という本気を見せるしかないと思って」
――鈴木さんにとって北海道から上京した時に抱いた東京の印象とは。
鈴木「『おっかない街なんじゃないか』と勝手に怖がっていたんですけど、実際住んでみたら、『意外と日本ってどこも穏やかなんだな』と思いました(笑)」
――では、それぞれの昭和の音楽との縁を教えてください。
柳田「両親が歌好きで家で昭和歌謡がよく流れていたので、ソロ歌手時代からカバーしていました。オーディションもベストタイミングだなと思って受けたんです」
橋爪「僕もフィリピン出身の母が歌謡曲好きで、個人活動時代から『昭和の歌をカバーしなさい』と言われていたんです。巡り巡って本当に歌っているので、本当に縁がめぐってきました」
渡辺「逆に知識があまりなかったので、加入後に節回しやコード進行を研究して、今のMATSURIにどう落とし込めるか試行錯誤しています」
鈴木「もともとは叫ぶようなロックが好きだったんですが、昭和の曲の艶やかな表現の深さにどんどん魅了されています」
小野寺「僕は全然詳しくなかったです(笑)。最年少なんですが、同世代、平成アイドルの曲ばかり聴いていて。以前カバーした『ジュリアに傷心』も知らなかったですが(笑)、昭和のアイドルソングにも詳しくなりました。皆の歌い方を間近で見て学んでいます」
松岡「昔から純烈さんが大好きで、『30代になったら自分もこうなりたいな』というイメージを持っていました。だから、願望が今を引き寄せてくれたと思います」
――レトロな楽曲も歌ってきて、挑戦してみたいアイデアはありますか。
小野寺「アイドルだけじゃなくシティポップも好きになったので、松原みきさんの『Stay With Me』のような都会的な曲をMATSURIのコーラスで歌ってみたいです」
柳田「僕は渉に正統派の演歌を歌ってほしいですね。ファンクラブイベントで歌った『天城越え』のハマり具合がすごく良かったんですよ」
鈴木「ファンからはたくさん反響をもらいましたが、本気で演歌らしく歌うって難しいです。リスペクトを込めて挑戦してみたいです」
橋爪「演歌なら、僕は北島三郎さんの『まつり』をカバーしてみたいですね」
松岡「1990年代から2000年代前半のパラパラ楽曲をMATSURIでやってみたいです。サビでみんなで手振りを踊ったら、絶対盛り上がりますよ」
鈴木「いや、ちょっと恥ずかしい(笑)」
松岡「何でだよ! 手振りだけだし、別にギャル男になるわけじゃないんだからさ(笑)」
渡辺「『恋の中央線』が出せたなら、洋楽路線もいいかも。Earth, Wind & Fireのようなディスコミュージックも、今のMATSURIなら面白いと思います。デビューからムード歌謡が多くて、全員が30代以上になって大人の落ち着きが出てきた今だからこそ、アッパーな曲を歌っても騒がしいだけで終わらないグループになりました」
――8月から全国ツアーも開催中で、9月には舞台主演も経験しました。今後の個人の目標と、グループとしての意気込みを教えてください。
小野寺「今年、目標だった世界遺産検定1級に合格しました。将来キャスターとしてニュースを伝えたい夢があるので、もっと資格を取って検定コレクターを目指します」
鈴木「僕はベンチプレス110キロが目標です。今は最高105キロなんですが、この5キロの壁が高くて。もう一人が乗っているくらい感覚が違います。年内に達成したいです」
松岡「今年はドラマの『10回切って倒れない木はない』に出させていただいたので、次は主演を張れるように、芝居も頑張りたいです」
橋爪「6月にJAF公認の国内A級ライセンスを取得したので、カーレースに出場してみたいですね」
松岡「それマジで見に行きたい! 皆で応援に行こう」
渡辺「次は表題曲に選ばれるような曲を作りたいですし、作詞でも秋元先生をうならせたいです」
柳田「僕らは生のライブの爆発力や熱量こそが一番の強みなので、何歳になっても本気で夢を追う姿を届けて、元気をお届けできる存在でありたいです。ツアーにもぜひいらして、熱を味わってください」
□MATSURI 渡辺真、橋爪健二、小野寺翼、松岡卓弥、鈴木渉、柳田優樹の6人からなる昭和歌謡グループ。2023年に実施の「夢をあきらめるな!オーディション」合格者から、25年1月に『アヴァンチュール中目黒』でデビュー。同年にはSHOW-WAとともに、日本レコード大賞新人賞を受賞。25年は SHOW-WA&MATSURIとしての初シングル『僕らの口笛』をリリースし、MUSIC AWARDS JAPAN 2026の最優秀演歌・歌謡曲楽曲賞を受賞。今年8月から12月まで『MATSURI 2nd コンサートツアー ~歌う門には福来る~』を全国10都市で開催。9月には、SHOW-WAと舞台『デカ×ホシ』で主演を務めた。
あなたの“気になる”を教えてください