菊池寛の名作『恩讐の彼方に』永山瑛太主演で映画化 大森立嗣監督、2028年公開目指す

小説家・菊池寛の不朽の名作『恩讐の彼方に』が、永山瑛太主演で映画化されることが25日、発表された。監督は大森立嗣氏が務め、2028年の劇場公開を目指す。

『恩讐の彼方に』に出演する永山瑛太【写真:(C)ツインエンジン/ヨアケ】
『恩讐の彼方に』に出演する永山瑛太【写真:(C)ツインエンジン/ヨアケ】

耶馬溪「青の洞門」の史実をもとにした短編小説

 小説家・菊池寛の不朽の名作『恩讐の彼方に』が、永山瑛太主演で映画化されることが25日、発表された。監督は大森立嗣氏が務め、2028年の劇場公開を目指す。

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 原作は、日本を代表する文豪の1人である菊池が1919年(大正8年)に発表した短編小説『恩讐の彼方に』。大分・中津市の名勝・耶馬溪にある「青の洞門」の史実をもとに創作された作品となる。

 江戸時代、豊前国の山国川沿いにそびえ立つ渓谷「耶馬溪」は、巨大な奇岩が連なる絶景の美しさを持つ一方、通行人は鉄の鎖を命綱に危険な岩壁を渡らなければならず、多くの人馬が滑落して命を落とした。それに心を痛めた曹洞宗の僧侶・禅海和尚は約30年をかけ、鑿(のみ)と槌(つち)で手彫りの隧道(トンネル)を掘り通した。菊池はこの史実に強い関心を寄せ、禅僧の人生に大胆な創作を施して『恩讐の彼方に』を書き上げた。

 映画の舞台となるのは、奇岩が連なる壮大な渓谷。遥か下には大河が流れ、渦を巻いている。その高い峰にそびえる巨大な岩壁の前に立つ男は、鑿と槌を手に岩を打ち、穴を掘り続けていく。物語では、謎めいた男の壮絶な過去が明らかになっていく。

 主演を務める永山は映画やドラマ、演劇などで活動。大森監督とは映画『まほろ駅前多田便利軒』(11年)、『まほろ駅前狂騒曲』(14年)、『光』(17年)に続くタッグとなる。

 製作は、オリジナルアニメーション映画『超かぐや姫!』や『劇場版モノノ怪』シリーズ、TVアニメ『日本三國』などを手掛けるツインエンジンと、映画『日日是好日』『おーい、応為』を手掛けたヨアケが共同で担当。両社による共同配給となる。

 同作は現在、今年5月から6月に京都や大分を中心に行われた第1期の撮影を終え、27年の第2期となる冬パートの撮影を前に、並行してポストプロダクションが始まっている。

 プロデューサーを務めるヨアケの吉村知己氏のコメントは下記の通り。

「大森立嗣監督との映画作りは『おーい、応為』から『恩讐の彼方に』と、たまたまですが時代劇が二作続きます。撮影初日は再び京都の松竹撮影所に戻って来られたことが喜ばしく光栄でした。大森監督と長年に渡り脚本を開発し続けました。粘りに粘った大森監督。この稿で行けるのではないか! という達成感と共に、そこに必要なのは主人公を演じることができる、屈強な俳優でした。それが永山瑛太さんです。理屈を超えて、映画と溶け合うような俳優だと思っていまして、本作のオファーを受けて頂けたことがとても嬉しかったです。

 原作『恩讐の彼方に』は、善と悪、自分と他人、過去と今と未来、そして人間と自然が渾然一体となり、ある境地を垣間見るような小説です。スタッフ、キャスト一同は、表面的にストーリーを追うと見逃してしまう、その重大さを映画に収めようと挑んでいます。今後の新たな情報にもご期待いただければ幸いです。(株式会社ヨアケ 吉村知己)」

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