19歳で芸歴18年、豊嶋花が明かす子役からの変化と俳優業への伸び代 感じる反省点は成長の余地

俳優の豊嶋花が、映画『マッチング TRUE LOVE』(9月25日公開、内田英治監督)で本格スリラーに挑んだ。1歳で芸能活動を始め、芸歴18年。高校を卒業し、俳優業一本で歩き始めた10代最後の今、念願だったジャンルへの挑戦、土屋太鳳ら先輩俳優から受けた刺激、仕事への責任感を聞いた。

インタビューに応じた豊嶋花【写真:舛元清香】
インタビューに応じた豊嶋花【写真:舛元清香】

土屋太鳳ら先輩俳優から受けた刺激とは

 俳優の豊嶋花が、映画『マッチング TRUE LOVE』(9月25日公開、内田英治監督)で本格スリラーに挑んだ。1歳で芸能活動を始め、芸歴18年。高校を卒業し、俳優業一本で歩き始めた10代最後の今、念願だったジャンルへの挑戦、土屋太鳳ら先輩俳優から受けた刺激、仕事への責任感を聞いた。(取材・文=平辻哲也)


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 Netflix映画『新幹線大爆破』(樋口真嗣監督)では、キーパーソンとなる高校生役を演じ、注目を浴びた。

「『新幹線大爆破』をやらせていただいてから、ホラーとかスリリングな物語のお話をいただく機会があって。ずっとやりたかった系統なのですごくうれしいです。『マッチング』も私の中では結構挑戦的な役だったので、皆さんが見てどう感じるのかも楽しみです」

 演じるのは、土屋演じる唯島輪花の亡き親友・尚美(片山萌美)の妹で、マッチングツアーに参加する女子大生・伊藤愛羅。南の島で芸大生・野村安蘭(倉悠貴)と出会うが、ツアーはやがて逃げ場のないデスゲームへと変貌していく。

「雰囲気はずっとスリリングでハラハラする感じですけど、撮影のときから監督が「これはコメディー映画だから」とおっしゃっていて、私も試写で実際に笑ったんです。最後まで『結局、(犯人は)誰なんだろう』って二転三転するので、愛羅のキャラクターも合わせて、展開の速さを楽しんでいただけたらと思います」

 一方、撮影現場は劇中とは正反対だった。沖縄・久米島ではキャスト陣が約2週間、同じホテルで過ごした。

「本当に楽しかったです。私が最年少だったので、すごくかわいがっていただきました。花瀬さんと瀧さんと3人で、お休みの日にシーサーを作りに行ったり、太鳳さんとクァクさんと海に入ろうとしたら波が強くて入れなかったり。みんなで人狼ゲームもしました。ちょっと旅行気分も味わえて、今考えてもすごく楽しい毎日でした」

 クァク・ドンヨンから韓国のゲームを教わることもあった。ハラハラする場面や精神をすり減らすシーンも多かっただけに、オフの時間がいい息抜きになったという。

 大きな刺激を受けたのが、今回が初共演となった土屋だった。

「始まってすぐから『花ちゃん!』っていう感じで、かわいがっていただいて。今日も久々にお会いしたんですけど、『あ、花ちゃん!』みたいに、いつも明るく話しかけてくださって。すごく大好きです」

 さらに圧倒されたのが土屋自身によるアクションだった。

「びっくりするぐらいいろいろありました。クライマックスでも感じますし、ラッキーちゃん(ウサギのマスコット)に追い回されるところもすごいです。私もアクションをやりたいなって、見ていて本当に思います」

 映画『ちひろさん』の公開時にインタビューしてから約3年。現在19歳。高校を卒業し、俳優業に専念するようになった。この3年間について聞くと、「変化しかなかったです」と即答した。

「毎日が新しいことだったし、出会いもたくさんありました。年齢が上がったことで、本当に憧れていた方々と肩を並べてお芝居をさせていただく機会がどんどん増えて。昔は孤立した女子高生の役とかが多かったですし、『ちひろさん』も一人枠というか。でも、『マッチング』では参加者として皆さんと肩を並べてお芝居をする。それが最近はすごく新鮮です」

 子役時代には、ヒロインの幼少期を演じることも多かった。今では、大先輩たちと同じ物語を背負う立場になった。

「ずっと刺激をもらったり、背中を追いかけたりする立場だったのが、自分が刺激を与える立場にもなっているんだなって感じています。責任感も感じますし、ただ引っ張られていくだけじゃダメな段階になってきたんだな、というのは感じています」

「まだ伸び代がある」と語った【写真:舛元清香】
「まだ伸び代がある」と語った【写真:舛元清香】

年齢とともに深まる俳優への興味「まったく同じ役なんて一つもなくて」

 俳優という仕事への興味は、年齢とともに深まっている。

「まったく同じ役なんて一つもなくて、ちょっと自分と似ている役があっても、育ってきた環境とか、周りにいる人とか、考え方とか、しゃべり方とか、全部違う。それを考えるのも楽しいですし、演じるのももちろん楽しいです」

 演じるだけではない。その芝居を言葉にすることも好きだという。

「取材していただいた時に、どうやってアプローチしたのか、どういうふうに演じたのかを言語化する瞬間もすごく楽しいんです。本当に取材が好きで、たぶん私はおしゃべりなので(笑)。役者を目指している10代に向けて、お芝居について語るトークショーとかもやってみたいです。まあ、私も10代ですけど、ギリギリ(笑)」

 最近では、大きな作品で重要な役を任される機会も増えた。一方で、現場に立つ時の不安はなくならない。

「『私に務まるのか』っていう不安をいつも抱えながら作品に取り組んでいます。でも、ここで私が自信なさげにしていたり、不安ばかり抱えていたりしたら、キャスティングしてくださった皆さんに失礼ですし、私ができることはやらなきゃと思っています」

 完成した作品を見れば、反省点も出てくる。それも成長の余地だと受け止める。

「『この作品、めっちゃ私うまくいった』って思っているようじゃ、多分そこで終わりなんだろうなって思うんです。まだそう思えていないってことは、まだ私には伸び代がある。『こうすればよかった』という後悔も飲み込めるように意識しています」

 そして、自身の指針にしている考え方がある。

「私は本当に恵まれていると思っていますし、そう思うようにしているというか。『恵まれているな』と思っていると、さらに恵まれた環境を引き寄せるような気がするんです」

 周囲への感謝も、意識して言葉にする。

「私の周りにいる友人も本当に素敵な人ばかりですし、『私は今、恵まれているんだ』って思うことで、その恵まれた環境にずっと身を置けるような気がする。それは意識して思うようにしたり、周りに感謝をいっぱい伝えたりすることは心がけています」

 大人たちの背中を追っていた子役から、誰かに刺激を与える俳優へ。「ただ引っ張られていくだけじゃダメ」と自覚しながら、それでも「まだ伸び代がある」と言う。20歳を目前にした豊嶋は、着実に次の段階へ進んでいる。

□豊嶋花(とよしま・はな)2007年3月27日生まれ、東京都出身。スターダストプロモーション所属。映画『外事警察 その男に騙されるな』、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』『ごちそうさん』、大河ドラマ『八重の桜』『どうする家康』などに出演。ドラマ『トットちゃん!』では黒柳徹子の幼少期を演じた。近年の出演作にドラマ『黒崎さんの一途な愛がとまらない』映画『あの星が降る丘で、また君と出会いたい。』など。趣味はギター、カメラ、料理・菓子作り、執筆。

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