佐渡ヶ島への観光増、けん引するのは小学生 注目度はディズニー超え? 夏休み旅行に異変
今年の夏休み、小学生の間で例年以上に注目を集めたのが新潟・佐渡ヶ島だ。世界遺産「佐渡金山」で知られる島だが、子どもたちの間では、YouTubeを通じて知った“憧れの島”として存在感を増している。全国各地から家族連れが訪れ、ちょっとしたブームをけん引しているという。

「佐渡ヶ島がディズニーを超えた」と話題に
今年の夏休み、小学生の間で例年以上に注目を集めたのが新潟・佐渡ヶ島だ。世界遺産「佐渡金山」で知られる島だが、子どもたちの間では、YouTubeを通じて知った“憧れの島”として存在感を増している。全国各地から家族連れが訪れ、ちょっとしたブームをけん引しているという。
夏休み明けの9月2日、SNS上には「小学生の夏休み、海外旅行に行った子より、ディズニーランドに行った子より、佐渡ヶ島に行った子の方が人気者になっている」という趣旨の投稿が拡散された。子育て中の親から共感の声が相次ぎ、「佐渡ヶ島がディズニーを超えた」と話題になった。
佐渡観光交流機構がまとめた「2025年度 来島者動態調査分析業務報告書」によると、佐渡ヶ島への入込者数の推計値は2020年から5年連続で増加。昨年度は、コロナ禍前の19年度と比較して100.2%まで回復した。
子どもたちの心をつかんだのは、YouTuberの存在だ。3年ほど前から、佐渡ヶ島系YouTuberけえ【島育ち】がブレイク。「サードーガーシーマ!」という中毒性のある叫び声や、ナルトダンスをもじった替え歌などが小学生や未就学児の間で流行。ここ数年の佐渡ヶ島への関心を急速に高めるきっかけになった。
佐渡観光交流機構の担当者は取材に対し、次のように語った。
「けえくんのフォロワーがぐっと増えて、うちも一緒にコラボしてイベントやバスツアーをやったりしているんですけれども、それを始める前と比べると、圧倒的にファンだろうなという方たちを目にする機会が増えました」
分かりやすい変化として挙げるのが、「アイラブ佐渡」と書かれたTシャツを着た親子連れの増加だ。佐渡おけさの笠をかぶった子どもの姿も、ちらほら見かけるようになった。観光客は年間を通じて訪れるようになり、大型連休や夏休みなど繁忙期に集中していた以前とは、状況が変わったという。
「関西や九州、北海道といった地域からも、親御さんは知らないんだけど、とにかく子どもたちが『佐渡、佐渡』と言っている、という話をよく聞きます。なんだか分からないけど子どもがとにかく行きたいと言うので、しょうがなく来る、という方も多いようです」
担当者によれば、これまで小学生や中学生といった若年層が自ら「佐渡に行きたい」と言い出すことはほとんどなかった。しかし、子どもの願いを叶えたいと考える親に引っ張られる形で、祖父母を含めた家族旅行にシフトする傾向がこの2~3年でみられるようになった。正確な数字ではないとしつつ、来島者のうち1割弱程度はこうした動きに関連していると分析している。
「今までなかった若年層の『行きたい』という声に引っ張られて、家族旅行の形自体が変わってきている。一助になっているのは間違いない」
今年の夏の入込客数についても、「民宿さんなども含め、今年はかなり良かったと聞いている。コロナ禍以降で最高になるのではと期待しています」と手応えを語った。

佐渡ヶ島テーマの自由研究も「増えている」
夏休みが終わっても、勢いは止まらない。10月3日には3回目となるビッグイベント『佐渡ヶ島フェス2026』も控えている。
24年3月に初開催され、公式発表の動員数は2000人だったが、実際には2500人ほどが参加したとみられ、うち島外から訪れた人は約1500人にのぼった。通常であれば静かな時期とされる3月に、親子連れという新たな客層を大きく動かした点は「かつてないこと」だという。イベントをきっかけに再訪する家族や、参加者同士のファングループが生まれる例も出てきている。小学1年の息子にせがまれ、今年イベントに初参加する予定だという東京都の40代男性は、「子どもはYouTubeにくぎ付けで、『夏休みどこに行きたい?』と聞いても『佐渡ヶ島』としか言いませんでした。『けえがいるから』という理由でフェス行きを決めました」。新潟への前日入りが必要で、仕事の調整をしているという。
前出の担当者は、「夏休みの自由研究で佐渡を調べる子どもも増えていると聞く。良い傾向だと捉えています。彼らは将来のリピーターですから」と歓迎する。
島ではトキや佐渡金山、たらい舟といった定番の観光資源に加え、年間60~70種類ほどの体験型アクティビティーも用意している。「自分たちなりにどう楽しむか考えてもらえると、また楽しみが増えると思う」と話した。
日本海に浮かぶ人口4万5000人あまりの島は、佐渡金山が世界遺産に登録された後も、SNS時代ならではの不思議な魅力で子どもたちを引きつけている。
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