ガソリン確保に48時間待ち、観光業へ大打撃 日本だけじゃない燃料不足「世界中が困ってしまう」

日本でも価格高騰などが話題となっているエネルギー問題。モンゴルではガソリン不足が深刻化し、市民生活だけでなく観光にも大きな影響が及んでいた。ロシアからの輸入に大きく依存する国だからこそ、国際情勢の変化が暮らしを直撃している。世界を旅するバックパッカーのheiさんが、「海外で見つけたニッポン」や「日本にはない光景」などをお届けするこの連載。第4回は、モンゴルのガソリン不足について。

ダランザドガドからウランバートルへ戻る途中のガソリンスタンド【写真:hei】
ダランザドガドからウランバートルへ戻る途中のガソリンスタンド【写真:hei】

観光ツアーも組めない事態に

 日本でも価格高騰などが話題となっているエネルギー問題。モンゴルではガソリン不足が深刻化し、市民生活だけでなく観光にも大きな影響が及んでいた。ロシアからの輸入に大きく依存する国だからこそ、国際情勢の変化が暮らしを直撃している。世界を旅するバックパッカーのheiさんが、「海外で見つけたニッポン」や「日本にはない光景」などをお届けするこの連載。第4回は、モンゴルのガソリン不足について。

 7月下旬、モンゴルでゴビ砂漠周辺を巡るツアーを手配しようとしたところ、仲介業者から思わぬ返事が返ってきた。「ガソリン不足でドライバーが見つからない」。地方観光はドライバーを手配し、絶景スポットなどに連れて行ってもらうのが主流。燃料不足はモンゴル全土で起きており、観光業にも大きな影響が出ているという。

 数日後、なんとか手配できたツアードライバーはこう嘆いていた。

「モンゴル中が大問題。ロシアのせいだ。石油製品の95%をロシアからの輸入に依存している。どこに行ってもガソリンがない。ガソリンスタンドにツテがあるとか、余分なお金を払って給油を優先してもらうしかない」

 この夏、ウクライナによるドローン攻撃でロシア国内の製油所が被害を受け、燃料不足が発生。影響が中央アジアに及び、モンゴルでも深刻化。8月になり、首都ウランバートルでは1回あたりの給油量を制限するなど対応に追われている。在モンゴル米国大使館は、米国籍者へ渡航延期の検討などを呼びかけ。同日本大使館も最新情報を入手するようアナウンスしている。

 困難な状況下、ドライバーがツアー催行を了承したとしても、結局給油に数日待たされる旅行者も少なくない。休業を余儀なくされるドライバーも。ウランバートルのガソリンスタンドにできた行列は数百メートルに及び、48時間並んでようやく給油できた人がいた。給油できればいい方で、並んだ末に手に入らない人もいる。

ガソリン代高騰にタクシー運転手がため息

 筆者はドライバーを確保できたものの、ゴビ砂漠では給油できるスタンドを探して数時間、転々とすることになった。砂漠地帯でガス欠になっていたらと想像すると恐ろしい。南部ダランザドガドからウランバートルへ戻る途中では、給油まで3時間半待ち。ガソリン不足が旅行日程に影響した。

 地元のモンゴル人は「ガソリンがないから働けない人もいる。戦争なんかやらないでほしい。世界中が困ってしまう」と、ため息。タクシー運転手も「ガソリン代は1リットル2700トゥグルグ(約119円)だったのが、3500トゥグルグ(約154円)まで上がった(8月6日時点)。やってられないよ」と苦しい表情を浮かべた。

 日本でもガソリン価格の上昇は家計を直撃している。モンゴルでは燃料そのものが手に入らず、人々の仕事や観光まで止まってしまう。長い給油待ちの列は、国際情勢が一人ひとりの暮らしに直結していることを物語っていた。

□hei(ヘイ) 大学時代にバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばで世界一周の旅に出た。旅のコラムをnote「元スポーツ記者の世界一周記(https://note.com/yohei_sports)」にて執筆中。

次のページへ (2/2) 【画像】大行列ができたモンゴルのガソリンスタンドの様子
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