「必死でお客様誘導をしました」 爆発したイオンモール熊本、現役従業員が明かした緊迫の状況 日頃の避難訓練で冷静対応
熊本県で最大震度7を観測する「令和8年熊本地震」が28日に発生し、甚大な被害が広がっている。同県嘉島町の大型商業施設「イオンモール熊本」では、来店客らが避難した後に爆発が起き、建物の一部が崩落。救助活動が続けられている。地震発生時に施設内で働いていた従業員が、来店客への避難誘導や当時の館内の状況について明かした。

避難訓練の経験を生かし、冷静に来店客を館外へ誘導
熊本県で最大震度7を観測する「令和8年熊本地震」が28日に発生し、甚大な被害が広がっている。同県嘉島町の大型商業施設「イオンモール熊本」では、来店客らが避難した後に爆発が起き、建物の一部が崩落。救助活動が続けられている。地震発生時に施設内で働いていた従業員が、来店客への避難誘導や当時の館内の状況について明かした。
「知って欲しい。私たちイオンモール熊本の従業員は、必死でお客様誘導をしました」
40代の従業員はSNSに自身の思いを記した。飲食物の販売などを担当し、イオンモール熊本で16年ほど働いているという。
従業員によると、28日午後4時27分頃の地震が起きた直後は、激しい揺れでテーブルの下に入ることも難しく、来店客とともに近くの物につかまって身を守った。揺れが収まると、従業員たちは来店客を館外へ案内した。店内では物が散乱し、一部で天井が剥がれていたという。
外国人観光客を含む来店客に、とにかく外へ出るよう呼びかけた。トイレに行きたいと訴える人や、忘れ物を取りに戻ろうとする人もいたが、従業員たちは館内への立ち入りを断った。
「私たちイオンモール熊本の従業員は、日ごろの避難訓練で、まずはお客様誘導第一と徹底してきましたから、今日もそうしました」
従業員はそう振り返った。同施設では定期的に避難訓練が行われており、来店客の誘導を最優先するよう指導されていた。訓練に従い、施設内の従業員たちは冷静かつ的確に行動していたという。飲食店が並ぶ1階のレストラン街では、避難誘導と並行して「ガスを切って」との指示が飛んだ。
来店客の誘導を終えた後も、従業員は館内で荷物をまとめたり、今後の指示を待ったりしていた。金品を盗まれる被害防止のために、お金を取りに戻った人もいたという。また、2階のロッカーにあった荷物や車の鍵を取りに行った人もいたと、従業員は証言した。
「間違ってなかった」従業員たちが果たした責務
館内では一度、火災を知らせるアナウンスが流れた。その後、再度アナウンスが流れ、施設で働く従業員にも館外へ出るよう指示があったという。
ただ、従業員はその時点でガスの臭いや煙を感じなかった。防火扉によって臭いが届かなかった可能性もあるというが、「まさか爆発するなんて」といい、当時は爆発が起きるとは考えていなかったとのことだ。
2016年の熊本地震を経験していることもあり、避難誘導が完了した後は「また地震か」「片付けが大変だ」「いつ営業再開できるのか」などと同僚と話す余裕もあった。緊張が緩み始めていた中、爆発が起きた。従業員は、自身も含めたイオンモール熊本の従業員の対応について思いをつづった。
「私たち従業員は、しっかりお客様を誘導した。トイレに行きたいと言われても追い返した。間違ってなかった」
爆発が起きたのは地震から約1時間半後の午後6時頃とされている。来店客を館外へ安全に誘導し、突然の大災害の中でも従業員たちは責務を果たした。だが、その後の爆発を目の当たりにし、帰宅途中にニュースで大きく損傷した施設を見たことで、状況の深刻さを改めて知った。
従業員は「残されたスタッフさん、知っている人は大丈夫なのか。それが不安で、帰宅しても震えていました」と無事を祈りながら、現在も悲痛な思いを抱えている。
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