野村周平、7年伸ばしたロン毛を切った理由 運気の変化も実感「さっさと切っておけば良かった」

ABCテレビ・テレビ朝日系連続ドラマ『マイ・フィクション』(日曜午後10時15分)に出演する俳優の野村周平。彼は、誤解されやすい。本人もそれを分かっている。だからといって、必要以上に取り繕うわけではない。ニューヨーク留学、コロナ禍、アメリカ横断、北海道のバイク旅、7年間伸ばした髪を切った理由まで、言葉はどこまでも率直だ。自由に見えるが、仕事への思いは真っすぐ。30代に入った野村の現在地を聞いた。

『マイ・フィクション』に出演している野村周平【写真:増田美咲】
『マイ・フィクション』に出演している野村周平【写真:増田美咲】

ニューヨーク生活にアメリカ横断「人生が変わった」

 ABCテレビ・テレビ朝日系連続ドラマ『マイ・フィクション』(日曜午後10時15分)に出演する俳優の野村周平。彼は、誤解されやすい。本人もそれを分かっている。だからといって、必要以上に取り繕うわけではない。ニューヨーク留学、コロナ禍、アメリカ横断、北海道のバイク旅、7年間伸ばした髪を切った理由まで、言葉はどこまでも率直だ。自由に見えるが、仕事への思いは真っすぐ。30代に入った野村の現在地を聞いた。(取材・文=平辻哲也)


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 約6年前に取材した時、野村はニューヨークへの語学留学について、「充電期間じゃない、放電期間だ」と話していた。午前中は語学学校に通い、友人たちと過ごし、自分の中にあるものを外に出していた時期だった。その後、コロナ禍が直撃した。今、あの時期をどう捉えているのか。

「結局、何だったんやろうなって感じですよね。あの時、なんでみんなあんなにつらい思いをしていたんだろうって、逆に最近思うようになって」

 もちろん、感染症そのものを軽く見ているわけではない。ただ、野村自身の人生にとっては、遊び方、生き方を変える時間にもなった。

「自分は逆に、コロナになって、その時ちょうど25、6歳とかで。それまでは外で飲んで、音楽を聴きに行ったりしていたんですけど、それがぱったりなくなったわけじゃないですか。逆にいい意味で、遊ばなくなって良かったなと思いました。大人に勝手になれた。その時期、もっと遊びたい時期の若者はかわいそうだなと思って見ていました。病気とかコロナというのは最悪ですけど、自分自身の人生においてはいい転換期だったかなと思いますね」

 ニューヨークでの生活、そしてアメリカ横断。外に出たことで、野村の価値観ははっきり変わった。

「人生が変わりましたね、やっぱり。その後、アメリカの横断も2回ぐらいやっているんで。人生は楽しんだ方がいいなっていう。それは、楽しいからこそ仕事を頑張るっていうか。楽しいことがあるんだったら、仕事を頑張れるわ、みたいな」

 自分のことに集中し、他人の目を気にしすぎない。我を通すだけではなく、他人の意見も聞く。そのバランスが大事だと感じるようになった。

「自分のことを気にして、人のことを気にせず生きていった方がいいし。我が強くてもいいけど、他人の意見はちゃんと聞いた方がいい。それがニューヨークに行って思ったことかな。逆に日本にいると、息が詰まる時はありますね。『僕のこと気にしないで、自分のことを気にして』みたいな」

 野村は、昔からどこか誤解されやすい。そういう見られ方をされることは本人も承知している。

「すごい誤解されますよ。大体『わがまま』とか『怖い』とか。いや、世界一、日本一優しいと思うんだけどな、と思って」

 誤解される。けれど、それを深刻に受け止めすぎない。笑いに変える。そこに今の野村の強さがある。

運気についても語った野村周平【写真:増田美咲】
運気についても語った野村周平【写真:増田美咲】

アメリカ文化への憧れから長髪に

 今年に入ってからは、流れが変わってきた感覚もあるという。本人は「下半期から運が良くなるらしい」と笑う。占いを信じ込んでいるわけではないが、思い当たる節はある。

「今まで、なんで運が良くなかったかっていうと、ロン毛だったんですよ。髪を切った途端、運が良くなった。『いや、髪長いのみんな嫌いだっただけなんか』みたいな。『短い方が好きだったんかい』っていうだけの話です」

 長髪は、留学してから7年ほど切っていなかった。胸より下まで伸びていたという。

「スマホの占いで、生年月日を入れたら『ここ3年が大殺界』みたいなやつだったらしくて。確かにって思って。来年から本当にすごくなるから、それを期待して待っとくかなと思ったら、その兆しが見えているんで。てか、もう髪を切って良かったってだけの話です。大殺界していたのは自分の髪のせいだったっていうだけの話で、さっさと髪を切っておけば良かったんです」

 では、なぜ急に切ったのか。理由は明快だった。

「年に1回、ハーレーのイベントが年末にあるんですけど、それを見に行ったんです。そしたら結構ロン毛が多くて、これは清潔感とはほど遠いなと思って。『自分もああいうふうに見られているのか』と思って切りましたね」

 もともと伸ばしたのは、アメリカ文化への憧れからだった。

「伸ばしたことがなかったんで。憧れじゃないですか、やっぱりハーレーとかアメリカ文化好きとしては。一発、髪をなびかせながら乗るっていうのは。その後、それだけでしたね」

 仕事以外で楽しいのは、バイク、車、自然に触れること。昨年は北海道を1人でバイクで一周した。キャンプをしながらの旅だった。

「去年行きましたね。北海道1周、1人でバイクでキャンプしながら。まあ、余裕でしたけどね」

 旅先では声をかけられることもある。ただ最近は、本人と気づかれるというより、「野村周平に似ている人」と言われることが多いという。

「帯広で、その日だけ雨が降ったので、1回だけホテルに泊まったんです。飲み屋に行ったら、『野村周平君に似てるって言われない?』って言われるから、『似てるってよく言われるんですけど、あいつ嫌いなんすよ』とか言うようにしています(笑)」

 本人だと名乗るより、その場を面白がる。

「自分はそういうので、『本人だよ』とか言わずに、『分かる、似てるよね』とか言うように、ユニークで返したいんで」

 自由な人に見える。だが、仕事について語る時の野村は、かなりまじめだ。楽しいことがあるから仕事を頑張れる。遊びと仕事は、野村の中で対立していない。

「仕事で楽しいのは、やっぱりお芝居をしている時が一番楽しいし。自分が出ていたら面白いってものにしたいなっていう作業が面白いなと思います。楽しいし、仕事するのも好きだし。仕事以外だと、バイクに乗ったりとか、車を運転したりとか、あとは自然に触れるとかが一番楽しいですかね」

 誤解されても、言い訳を並べない。旅に出る。髪を切る。面白がる。芝居に戻る。野村周平は、自分の人生を自分の速度で走っている。

□野村周平(のむら・しゅうへい)1993年11月14日生まれ、兵庫県神戸市出身。2010年に俳優デビュー後、12年のNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』で注目を浴びる。14年、映画『日々ロック』で映画初主演を飾り、同作を含む複数作品で第7回TAMA映画賞最優秀新進男優賞を受賞。近年の主な出演作に、映画『サイレントラブ』、『おいハンサム!!』、『十一人の賊軍』、『木挽町のあだ討ち』、ドラマ『ちはやふる‐めぐり‐』、『完全不倫 ― 隠す美学、暴く覚悟 ―』、『パンダより恋が苦手な私たち』、『浮浪雲』、『ガス人間』などがある。待機作に映画『バッド・ルーテナント:トウキョウ』がある。

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