ミセスによるエンタメの祭典『CEREMONY』が「ボーダレス」を体現 マキシマム ザ ホルモンが場の空気を一変【ライブレポート】

エンタテインメントの祭典「Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』」が11日、神奈川・Kアリーナ横浜で2日目を迎えた。同祭典は3人組ロックバンド・Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)のボーカル&ギター・大森元貴が発案したエンタテインメントショー。10、11日の両日に行われ、11日には、FRUITS ZIPPER、上白石萌音、マキシマム ザ ホルモン、ネクライトーキー、サカグチアミ、TWSが出演した。

『CEREMONY』に登場したMrs. GREEN APPLE【写真:田中聖太郎写真事務所】
『CEREMONY』に登場したMrs. GREEN APPLE【写真:田中聖太郎写真事務所】

11日にDAY2開催

 エンタテインメントの祭典「Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』」が11日、神奈川・Kアリーナ横浜で2日目を迎えた。同祭典は3人組ロックバンド・Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)のボーカル&ギター・大森元貴が発案したエンタテインメントショー。10、11日の両日に行われ、11日には、FRUITS ZIPPER、上白石萌音、マキシマム ザ ホルモン、ネクライトーキー、サカグチアミ、TWSが出演した。(取材・文=コティマム)

 赤や黄、紫、ピンクなど色とりどりの生花でびっしりと装飾された、曲線の美しいステージセット。そのステージ中央前には8つの円卓が広がり、出演アーティストが席についた。同祭典は「ジャンルや活動の形に関係なく、すべての音楽にリスペクトを送りあえる場でありたい」との思いから、2025年にスタート。ファッションも含めた「総合エンタテインメント」の場にしたいと考え、来場者にもドレスコードをうながし、出演者も『CEREMONY』ならではのファッションに身を包んだ。

 今年のミセスのファッションテーマは「ヒーローズジャーニー(英雄の旅)」。「旅を通して、仲間と共に試練を乗り越え、より良いチームへ。自分へ」のコンセプトで、大森、若井滉斗、藤澤涼架が、2日目は『桃太郎』からインスピレーションを得たコスチュームでステージに登場した。大森は桃太郎をイメージしたピンク色のスーツ、若井はサル・キジ・イヌを一体化した紺色ベースの衣装、藤澤は鮮やかな赤と黒で鬼を表した衣装に身を包んだ。

 ステージに立った大森は、「第3回『CEREMONY』へようこそ!」とあいさつ。「昨日、第2回(初日)もありましたけど、最高の1日になりましたよね」と振り返り、『CEREMONY』について、「フェスでも対バンイベントでも授賞式でもございません」と説明。その意義についてこう語った。

「アーティスト、表現者というのは孤独だと勝手に思っています。でも、今日くらいはきれいごとでもいいので、ここで共にする全員とつながりを持つことで、きれいごとを一生懸命に奏でることを感じられる2日間にできれば」

 さらに「僕らはこのイベントを『ボーダレス』という言葉で説明します。今日くらいは、競争心や闘争心が原動力ではなく、互いのカルチャーに触れて、『音を楽しむ』と書いて『音楽』ということを、皆様と再提示したいと思うのですが、いかがでしょうか?」と呼びかけると、会場からは歓声が起こった。

上白石萌音【写真:田中聖太郎写真事務所】
上白石萌音【写真:田中聖太郎写真事務所】

トップバッターのプレゼンターはミセス藤澤

 この日トップバッターのプレゼンターに選ばれたのは、ミセスの藤澤だった。

「毎回、『ああ、音楽やっててよかったな』と思える1日になるんです。今日1日を通して、『やっぱり音楽好きでよかったな』って、そんな自分に立ち返ってもらえたらうれしいです。中には、初めて聴く音楽のサウンドやスタイルもあると思う。そんな中で、『あれっ、自然とダンスミュージックで体が動いちゃった』とか、『ロックサウンドで思わず手挙げちゃったよ』みたいな自分にぜひ、出会っていただけたら」

 最初のパフォーマーとして、俳優で歌手の上白石萌音が暗いステージの上でスポットライトを浴びて登場した。そして、自身がヒロインの声を務めたアニメ映画『君の名は』の挿入歌『なんでもないや(movie ver.)』のイントロをアカペラで歌い始めた。

 コントラバスやサックスなどの楽器とともに、透き通る声でじっくりと歌い上げるその姿に客席は集中。さらに『懐かしい未来』では、ファンと一緒にコーラスを歌い盛り上げた。そして、「最後は、私を今日ここに連れて来てくれた曲を歌わせていただくことになりました。大森さんが作られた絵本『メメント・モリ』。この朗読劇に出演させていただいた日があって、今日があります」と伝えた。

『メメント・モリ』は、大森が21年に制作した、「死生観」について歌った楽曲の世界観を基にした絵本。この朗読劇に出演した上白石は、バンドメンバーがこの日のためにアコーディオンを用意したことを明かし、「『メメント・モリ』との出会いは、私の人生の宝物。この作品は、人生の御守りです」と感謝した。アコーディオンの音色とともに優しく歌い上げる上白石を大森もじっと見守った。

ネクライトーキー【写真:田中聖太郎写真事務所】
ネクライトーキー【写真:田中聖太郎写真事務所】

 続いて5人組ロックバンド・ネクライトーキーが登場した。ベースのきいたファンキーでノリノリのメロディーに、ボーカル・もっさのかわいらしい高音を絡めながら、『北上のススメ』『オシャレ大作戦』を熱唱。独特の世界観で会場を圧倒した。23年にミセスとZepp DiverCity (TOKYO)で対バンしており、もっさは「たった3年なんですけど、その3年でお互いそれぞれの道で成長したと思います」と感慨深く語った。ラストは未発表曲『余計なこと』を初披露した。

サカグチアミ【写真:田中聖太郎写真事務所】
サカグチアミ【写真:田中聖太郎写真事務所】

 シンガー・ソングライターのサカグチアミは、アコースティックギターを手に透明感のある声で魅了した。14歳で弾き語りを始め、高校時代にミセスの曲をSNSで発信していたところ、大森が見つけて交流がスタート。25年には“坂口有望”からカタカナに改名した。この日はメジャーデビュー曲の『好-じょし-』や、改名時に覚悟を決めて作った『名前』と『裸』で計3曲を歌い上げた。

FRUITS ZIPPERとミセス藤澤涼架【写真:田中聖太郎写真事務所】
FRUITS ZIPPERとミセス藤澤涼架【写真:田中聖太郎写真事務所】

 その後、7人組アイドルグループ・FRUITS ZIPPERが登場。かわいらしい振り付けで元気いっぱいに『はちゃめちゃわちゃライフ!』と新曲『ぱわーオブらぶ』を披露した。ラストはステージを降りて円卓を回りながら、ヒット曲『わたしの一番かわいいところ』を歌い、踊った。最後は藤澤がFRUITS ZIPPERと共に円卓中央のステージへ。藤澤は7人の歌声に合わせながら会場を沸かせた。

マキシマム ザ ホルモン【写真:齋藤タカヒロ】
マキシマム ザ ホルモン【写真:齋藤タカヒロ】

吉田沙保里や落語家・立川志らくらが観覧

 続いて登場したロックバンド、マキシマム ザ ホルモンが、場の空気を一変させた。歌と6弦と弟のマキシマムザ亮君が雄叫びをあげ、空気をビリビリと引き裂くような音圧で『シミ』を奏でると、会場は一瞬にして“縦ノリ”へ。ヘッドバンキングや拳を突き上げるなど、ファンたちも思い思いに音にノッていった。

 ドラムと女声と姉のナヲは「大丈夫? 怖かった?」と客席に声をかけ、「安心してください。中条あやみです♪」とかわいらしい声で笑いを誘った。さらに「今回、『ちょっと様子がおかしいのがいるな』と驚かれたと思います」と続け、「ホルモンとか怖いし、臭そうだし、ぶっちゃけ苦手みたいな人、いるよね。今日はそんな“食わず嫌い”とかなしに、一口ずつ食べてみようという、ミセスからの試食会だと思うんです。一口食べて帰ってほしいです」と『CEREMONY』の趣旨に賛同した。

 続いて、肥満体型から痩せたマキシマムザ亮君に寄せられた批判へのアンサーソング『maximum the hormoneII~これからの麺カタコッテリの話をしよう~』で、より一層会場のボルテージは上がった。ダイスケはんが「何で僕らが呼ばれたのか。それはミセスの若井君が中学生の時にやっていたアメーバブログのアイコンが僕だったから」と説明すると、会場からは「おおおー!」とどよめき。その状況で、ダイスケはんが「きっと彼はその頃、友達がいなかったんだと思います(笑)」とオチをつけた。

 さらに「ミセスがフェーズ1からフェーズ2に至るまでの間に、僕が3人にむちゃくちゃ高い焼肉をおごったからなんですよ! これ、マジだから!」と追加説明。「あまりに高すぎたから、『CEREMONY』1回分では元取れません。だから……ごめんミセス、向こう5年間(CEREMONYに)出してくれる?」と、今後5年間の出演を公開交渉した。ラストは、ライブでおなじみの「恋のおまじない」を会場一体となって行い、大熱狂の中『恋のメガラバ(CEREMONY edit)』で締めくくった。

TWS【写真:田中聖太郎写真事務所】
TWS【写真:田中聖太郎写真事務所】

 韓国の6人組ボーイグループ・TWSは、足首のじん帯を負傷しているHANJIN(ハンジン)がイスに座ってパフォーマンスに参加した。日本語で『はじめまして』、韓国語で『You,You』を披露。4th Mini Album『play hard』のタイトル曲『OVERDRIVE』では、歌詞の「Umm…」に合わせて、肩をすねたように可愛く揺らすポイントダンスの振りを会場一体となって行った。

Mrs. GREEN APPLE【写真:田中聖太郎写真事務所】
Mrs. GREEN APPLE【写真:田中聖太郎写真事務所】

 そして、トリを務めたのはミセス。『ANTENNA』 のイントロが流れると、客席から大歓声とハンドクラップが。パワフルなハイトーンボイスで会場を沸かせ、さらに『クスシキ』も歌うと、アウトロのパートは会場のお客さんも大合唱。続けてアコースティックギターを抱え、『風と町』をパフォーマンス。さらにスモークの中でひしひしと訴えるように歌唱した『天国』では、大森がか細い声から野太い声、裏声や低音、高音などを伸びやかに使い分け、会場中がその真剣な歌声に集中した。

 大森は「まだまだ声出せますか! 出せるでしょ!」と声をかけ、『GOOD DAY』がスタート。ファンと一緒に「♪ラララ~」とコーラスを重ね一体化し、最後は火花が吹き上がる演出で会場が照らし出された。

 最後に3人が再登場。大森が、「第3回 セレモニー、いかがでしたでしょうか?」とたずねると、会場から大きな拍手が起きた。大森は「賞とか、チャートとかランキングとか、そういうものが僕らを突き動かすこともあるんですが……。勝ち負けとか優劣だけじゃなくて、表現、音楽、アーティスト、お客さん、この空間、ライブ、自己表現って本当に素晴らしいものなんだなと思って。うれしくて悔しさを知れた、そんな『CEREMONY』になりました」と振り返った。そして、「また来年の『CEREMONY』でお会いしましょう!」と約束すると、あらためて客席から歓声が沸いた。

 DAY2では、パリ五輪柔道女子78キロ級銀メダリスト・高山莉加、ブレイキングダンサー・Shigekix、女子レスリング五輪3連覇でタレントの吉田沙保里、競泳日本代表で4大会連続五輪出場の入江陵介氏、落語家の立川志らくらも観覧した。

 アーティストラウンジの円卓では、アーティストが1人の人間として純粋に音楽を楽しむ様子も見てとれた。観客にとっても、全く違うジャンルの音楽に触れ自然と興味を持つきっかけになっている。そんな「ボーダレス」を体現する祭典となった。

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