ラウンドガールで注目集めたレースクイーンの矜持 亀澤杏菜が考える「自分の存在意義」

亀澤杏菜は、レースアンバサダーアワード2025」を受賞し日本のトップレースクイーンの称号を手にした。真面目で真っすぐな性格の彼女にとっての、レースクイーンの存在意義は一貫している。自分の注目よりも、モータースポーツ界を盛り上げること。そして、ファンとチームをつなぐハブになること。アワードを受賞したことで、後進育成という意識も芽生えてきた。サーキットに立ち続ける亀澤のレースクイーンとしての矜持を聞いた。

インタビューに応じた亀澤杏菜【写真:増田美咲】
インタビューに応じた亀澤杏菜【写真:増田美咲】

全ての行動はより多くの人々にサーキットに来てもらうため「私をきっかけに」

 亀澤杏菜は、レースアンバサダーアワード2025」を受賞し日本のトップレースクイーンの称号を手にした。真面目で真っすぐな性格の彼女にとっての、レースクイーンの存在意義は一貫している。自分の注目よりも、モータースポーツ界を盛り上げること。そして、ファンとチームをつなぐハブになること。アワードを受賞したことで、後進育成という意識も芽生えてきた。サーキットに立ち続ける亀澤のレースクイーンとしての矜持を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

 当初はキラキラとしたレースクイーンの姿に憧れ、サーキットに立つことを目標に掲げていた。しかし、ひとたびサーキットに立つとその思いは大きく変化していった。

「学生時代にバスケに打ち込んでいたこともあって、スポーツ観戦が大好きでした。生でレースを見て、一瞬で魅了されました。コンマ何秒を争う世界、すごいプレッシャーの中、チームで戦っていて、知れば知るほどハマっていきました」

 そこからは、モータースポーツに興味を持ってもらうためを第一として、活動を続けてきた。

「まだまだモータースポーツの認知度は、物足りないと思っています。車離れと言われているこの時代に、一人でも多くの人にレースの魅力を知ってもらいたいです。私をきっかけに、サーキットに足を運んでくれる人が増えていくことが、すごくうれしいんです。少しでも貢献できている気がして、やりがいを感じます」

 だからこそ、撮影される場でも「自分が主役」になることは考えていない。もちろんスタイルキープなどの努力を重ねているが、それも「自分の存在意義」を最優先に考えた結果だった。

「いかにコスチューム映えするか、ポージングなども意識はしていますが、1番は企業さんのロゴがきれいに見えることを考えています。なので、ファンの方に写真を撮っていただく時も、しっかりとロゴまで入れた写真を撮ってほしいんです(笑)」

将来的には裏方仕事も視野「何らかの形でレース業界に携わっていけたら」

 2024年には、ボクシングの那須川天心戦でラウンドガールも務めた。リング上での立ち振る舞いが視聴者の注目を集め、ネットニュースなどにも取り上げられた。

「ラウンドガールの時はこれまでの反響とは全く違ったので、驚きました。ボクシングを見ている人たちが私に興味を持っていただき、サーキットに足を運んでくれたりもしました。逆に、サーキットで私を知ってくれていた人が、ボクシングを見てくれたり、そういったきっかけになれていることが本当にうれしいです」

 自身が“広告塔”になることを意識しているからこそ、被写体としての覚悟も持ち合わせている。サーキットやカーイベントなどでの、ローアングル撮影などがマナー違反と話題にもなったが、亀澤は「仕方がない」と割り切っている。

「異常なまでのフラッシュやライトを焚きながら撮影する人や、明らかに違う場所を撮っている人など、撮られているとすぐに分かります。マナー違反ですし、嫌な気持ちはもちろんあります。でも、そういった服装で撮られる仕事をしているからには、どこを撮られようが仕方ない、という覚悟はできています」

 こういった考えも、たくさんの経験を積んでいったことで、芽生えたものだった。「先輩方の背中や周囲の方からのいろいろなアドバイスなどをいただいたからこそだと思います」。

 現在は、「下の世代を育てる立場」にあることも自覚している。「表に立ち続けて華やかに活動することよりも、裏側から支える立場になって、何らかの形でレース業界に携わっていけたらなと思っています」。

 モデル活動を目指して飛び込んだが、今ではトップレースクイーンとしての地位を確立している。「全く想像していなかったです」と笑いながらも、これまでの日々に「後悔はない」と断言する。

 胸に刻んだレースクイーンとしての矜持。後進たちへ背中で示すためにも、亀澤は今年もサーキットの上に立ち続ける。

□亀澤杏菜(かめざわ・あんな)1991年10月5日、愛知県出身。プリッツコーポレーション所属。中学時代にファッション誌「ニコラ」(新潮社)で専属モデルとして活動。2015年にレースクイーンとしてデビューすると、25年には念願だった「レースアンバサダーアワード2025」を受賞した。24年からは「Astemo」のアンバサダーを3年連続で務めている。

X:@anchiy1005
インスタグラム:@anna_kamezawa

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