実力が追いつかずフラストレーションも…「ビリギャル」表紙から十余年、石川恋が自ら環境を変えた20代

映画『祝山』(6月12日公開、武田真悟監督)で、狂気をはらんだ芝居を見せ、俳優として新境地を開いた石川恋。書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の表紙モデルとして脚光を浴びた石川は、現在32歳。そこからの道のりは、決して平たんなものではなかった、と振り返る。

インタビューに応じた石川恋【写真:増田美咲】
インタビューに応じた石川恋【写真:増田美咲】

映画『祝山』に出演

 映画『祝山』(6月12日公開、武田真悟監督)で、狂気をはらんだ芝居を見せ、俳優として新境地を開いた石川恋。書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の表紙モデルとして脚光を浴びた石川は、現在32歳。そこからの道のりは、決して平たんなものではなかった、と振り返る。(取材・文=平辻哲也)

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「人から評価していただかないと続けていけないお仕事なのでずっと悩みながらやっていて、周りの環境に甘えるんじゃなくて自分でしっかり取りに行く気持ちが大事なんだなと20代でやってきて感じました」

 真摯(しんし)なまなざしでそう語る石川には、20代後半にぶつかった大きな壁があった。

「自分のイメージが固定化されてきている感覚や、周りの方のご尽力によって自分ができていることに焦りを覚えました。もっといろんなお芝居や表現がしたいのに自分の実力が全く追いついていないという、理想と現実のギャップにフラストレーションがすごく溜まっていて、それをとにかく打開したいと思ったのが一番大きい転機です」

 現状を打ち破るべく、自ら環境を変える道を選んだ。ワークショップなどに積極的に参加し、さまざまな監督の指導を仰ぐようになったのだ。

「最初は人前でお芝居をするということに、とにかく自信がなく自分をちゃんと理解できていなかったので、個性や自分だからできる表現が全く確立されていませんでした。今は自由に『こういう風にやってみたい』『こういう風に見てもらいたいな』とお芝居を楽しみながら集中できるようになりました」と、壁を乗り越えたすがすがしい笑顔を見せる。

“ビリギャル”書籍の表紙でブレイク【写真:増田美咲】
“ビリギャル”書籍の表紙でブレイク【写真:増田美咲】

 与えられた役に真摯に向き合う姿勢は、台本への細やかな書き込みにも表れている。

「日々台本を読む中で気づいたことや感じたことは、日記のように台本に書き込むようにしています。監督がおっしゃったことや、他の役の方にどういう風に感じているか、技術的にこうしたいという演技プランなどを書いています。他のところにメモするのではなく、台本に書いていくのが一番ですね。自分の中身を見せているようでちょっと恥ずかしいです」とはにかんだ。

 さまざまな経験を経て迎えた32歳の今、俳優として楽しくなっているかを尋ねると、「断然、今の方が好きです」と即答した。

「私は『バリキャリ』とか『当て馬』『意地悪な女性』みたいな役のイメージが多くて、それもすごくうれしいですが、今回の『祝山』の矢口のように『見たことないからやらせたい』と思ってもらえるなら何でも挑戦したいです」と目を輝かせる。

「意地悪な役だとしても作品に必要なポジションだと思って楽しみながら演じていますが、私も幸せになりたいなとは思っています(笑)」。確かな実力と自信を手に入れた表現者は、さらなる高みを見据えながら、弾けるような笑顔を見せた。

□石川恋(いしかわ・れん) 1993年7月18日生まれ、栃木県栃木市出身。2013年、書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の表紙モデルに起用されブレイク。17年から22年まで女性ファッション誌『CanCam』の専属モデルを務める。俳優として映画『マスカレード・ホテル』(19年)、『ぐらんぶる』(20年)、ドラマ『東京タラレバ娘』(17年、日本テレビ)、『silent』(22年、フジテレビ)など多数の話題作に出演。今年はドラマ『ゲームチェンジ』(BS-TBS)、『ディープリベンジ -顔を捨てた家政婦-』(読売テレビ)のほか、映画『黄金泥棒』に出演。

ヘアメイク:野由梨乃
スタイリスト:金野春奈
衣装協力/THE silhouette、Sorbet、SYKIA、ダイアナ

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