【プロレスこの一年 #16】女子プロで世代を懸けた勝ち抜き戦、混乱の全日本とW-1の設立、小橋の引退…17年のプロレス
“鬼嫁”北斗晶が約18年ぶりに女子プロレス界に帰ってきた。現役時代には全国区の人気を体感し、対抗戦ブームの牽引者でもあった北斗だが、タレント業に専念する現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により古巣の女子プロ界までもが大きなダメージを被っている。そこで我が故郷のため一肌脱ごうと発足させたのが、女子プロレス共闘組織「Assemble(アッセンブル)」である。まずは10月2日、東京・上野恩賜公園野外ステージでの旗揚げ戦を開催。参加団体の提供試合という形で全6試合が披露された。次回大会は全日本女子プロレスが1994年に東京ドーム大会を実現させたのと同日の11月20日。今後どんな話題を業界に提供するのか、楽しみである。
2013年10月17日に開かれた大会「超世代闘争 新星VS重鎮」
“鬼嫁”北斗晶が約18年ぶりに女子プロレス界に帰ってきた。現役時代には全国区の人気を体感し、対抗戦ブームの牽引者でもあった北斗だが、タレント業に専念する現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により古巣の女子プロ界までもが大きなダメージを被っている。そこで我が故郷のため一肌脱ごうと発足させたのが、女子プロレス共闘組織「Assemble(アッセンブル)」である。まずは10月2日、東京・上野恩賜公園野外ステージでの旗揚げ戦を開催。参加団体の提供試合という形で全6試合が披露された。次回大会は全日本女子プロレスが1994年に東京ドーム大会を実現させたのと同日の11月20日。今後どんな話題を業界に提供するのか、楽しみである。
さて、本欄が掲載される10月17日は、いまから7年前の2013年に女子プロ界全体を呑み込む画期的イベントが開催された日でもある。“女子プロレスの横綱”里村明衣子率いるセンダイガールズプロレスリング(仙女)が、後楽園ホールにて「超世代闘争 新星VS重鎮」と題した若手VSベテランのシングル勝ち抜き戦を実現させたのだ。
新星軍がキャリア5年以下なら、重鎮軍が90年代の対抗戦時代を生き抜いた大ベテランを中心に構成。試合は8対8のシングル勝ち抜き戦で、決着が付くまで合計14試合を要している。ベテランを超える具体的なチャンスを与えられた新星軍は彩羽匠(スターダム)、朱里(WNC)、Sareee(ディアナ)、志田光(アイスリボン)、勝愛実(JWP)、夕陽(ZERO1)、花月(仙女)、世IV虎(スターダム)という、新星の名に偽りのない各団体の精鋭陣が集められた。現在、彼女たちの多くが団体のトップに立っていることからも彼女たちの高いポテンシャルは明らかだろう。そこへ立ちはだかる重鎮は、ダンプ松本(フリー)、井上京子(ディアナ)、コマンドボリショイ(JWP)、豊田真奈美(フリー)、井上貴子(LLPW―X)、ダイナマイト・関西(OZアカデミー)、アジャ・コング(OZアカデミー)、里村(仙女)といった時代を超越するネームバリューの持ち主ばかりだ。
そして試合は、夕陽の3人抜きもあり新星軍が大健闘。最後のカードは、アジャをフォールした花月を破った里村と世IV虎が激突。ダイビングセントーンにより、世IV虎が新星軍に勝利をもたらし、女子プロレスの可能性を広げたのだった。
この年は、世代闘争に先立つ4月29日、スターダム両国国技館にて女子プロ界の救世主的存在だった愛川ゆず季が2年半のプロレスラー生活に終止符を打った。11年1月に旗揚げしたスターダムは、この日が両国初進出。低迷していた女子プロレスを盛り上げ、大会場での試合を実現させたのは“ゆずポン”の存在あってこそと言っても過言ではない。