石橋静河、“宇野千代”演じる次期朝ドラ『ブラッサム』ロケで岩国へ「タイムスリップした感覚」
俳優の石橋静河が、山口県岩国市の岩国国際観光ホテルで行われた2026年度後期のNHK連続テレビ小説『ブラッサム』ロケ報告会に出席した。

満開の桜と錦帯橋に「圧倒された」 役作りのため資料を読み漁り生家も訪問
俳優の石橋静河が、山口県岩国市の岩国国際観光ホテルで行われた2026年度後期のNHK連続テレビ小説『ブラッサム』ロケ報告会に出席した。
『ブラッサム』は、明治、大正、昭和を駆け抜け自由を求め続けた作家・宇野千代をモデルにした物語。明治30年(1897年)、山口・岩国に生まれた葉野珠(はの・たま/石橋)が、激動の時代の中で作家としての道を切り開いていく姿を描く。珠は2歳で実母を亡くし、父・清治(渡部篤郎)と継母・リョウ(国仲涼子)に育てられる。女学校卒業後に代用教員として働くも解雇され、上京を機に小説の懸賞応募から作家への道を歩み始めるというストーリー。
3月31日から3日間にわたり岩国市内でロケが行われ、石橋は4月1、2日に撮影を行った。会見が行われた岩国国際観光ホテルは、『日本三名橋』のひとつで5連のアーチが特徴的な木造橋・錦帯橋(きんたいきょう)がかかる錦川の目の前に位置し、同所は桜の名所としても知られている。
石橋は会見冒頭、「本当に桜が美しくて、一番満開の時に来ることができました。『春霞』という感じの、もわっとした優しい光の中で桜がふわーっと散っていて、本当に幻想的な景色から撮影をスタートすることができました。錦帯橋はタイムスリップしちゃったような感覚になって、改めてその美しさに圧倒されています」と振り返った。
クランクインから1週間強、「まだ緊張していたり、『初めまして』の人も多くて慣れないのですが、千代さんが生まれて、育って、呼吸をしていた場所で、千代さんの故郷である美しい岩国で改めて深呼吸して、ここから始められることをすごく幸せに思っています」と語った。
撮影には多数のボランティアやエキストラも参加。「錦帯橋でもロケをさせていただいて、何度も通行をストップさせてしまいましたが、皆さん全然怒らず、優しく朗らかでいてくださいました」と感謝した。
宇野千代は4度の結婚歴があり、作家の尾崎士郎、梶井基次郎、画家の東郷青児など多くの著名人との恋愛遍歴を持つ。恋愛論や幸福論などのエッセイを数多く書き、1970年の『幸福』で女流文学賞を受賞。1983年の『生きていく私』は自叙伝的小説としてドラマ化された。着物デザイナーとしても活躍し、着物はもちろん赤いちゃんちゃんこに至るまで、たくさんの桜のデザインを遺した。
石橋は役作りについて、「たくさんの本やエッセイ、小説など、『どこから手をつけていいんだろう』というくらいとても資料が多くて。写真も心がときめくような、バッチリとお洒落をしているステキな写真がたくさん残っているので、そういうものをいっぱい見漁りました。『この人は何を美しいと思っていたんだろう』『どういうふうに人や物事を見ていたのかな』と、大きなところから探っていきました」と語った。
2025年秋に友人と岩国を訪れ、宇野千代の墓参りも。「精一杯演じさせていただきますとお伝えしました。また生家にお邪魔させてもらい、そこで働いているボランティアの方々が、すっごく生き生きとしていて。『ここに座ってらしたのよ』『この映像はね』といろいろなお話をしてくれました。ちょうど紅葉もキレイな時期だったので、実際に千代さんが見ていたであろう景色を見て、役作りをしてきました」と振り返った。
ヒロイン・珠は「悲壮感がない強さがある人。演じていて楽しい」
また、エッセイや小説を読んでいく中で宇野千代の人物像を実感したという。「最後まで『すごく苦しい』とか『悔しい』とか嫉妬とか、“ネガティブ”と言われる感情もちゃんと持っていた人なんだと思って」と明かし、「でもそれは『=(イコール)悪』ではなく、ちゃんと自分の中で噛み砕いて、本当の意味でのポジティブに転換させていった人なんだと分かった時に、すごく親近感を覚えました」と語った。「それは千代さんが特殊な人だったということじゃなく、すごく普通に、日々を一生懸命生きて、いろんな出会いがあって、別れがあった。『ただただ一生懸命に生きた人なんだな』と感じたので、より人間味を感じるようになりました」と共感した。
台本を読んだ感想を聞かれると、「千代さんがいっぱい恋愛をして波乱万丈だったことは、たくさんの人が知っているところ」と前置きし、「でもそういう派手じゃない部分、『何でいろんなことが起きていったのか』というのは、千代さんが日々を懸命に生きた結果です。毎日を大事に生きて、目の前の人にしっかり向き合って、苦しんで、喜んでというところが、(台本に)すごく緻密に描かれているので、千代さんの魅力をじっくり伝えていけると思うと、とても胸がいっぱいになります」と語った。
自身が演じる珠という役について、「割と最初からいろんなドラマが起きて山あり谷ありで……」と語り、「だけど私は、『悲壮感がない』というのが珠ちゃんだと思っています」と自分なりのイメージを告白。「珠ちゃんは悲劇のヒロインになってしまうのではなく、『しんどい、苦しい』という瞬間でも、その苦しみや恐れから絶対に目を背けないで、『これは何なんだろう』と見続けられる強さがある人」と分析し、「いろんな物事に負けない人なので、演じていて楽しいですね。『どんなことがあっても、この人は乗り越えていける』という芯の強さは、序盤からすごく感じています」と語った。
「千代さんは生きることをすごく楽しんだ人だと思うんです。お洒落やお化粧をしたり、自伝を書いたり。それって一見、『自分が中心の世界』になりかねない。でもそれが、ものすごくいろんな人にパワーを与えていて、人をワクワクさせていたと思います」とその生き様に思いをはせ、「『まず自分が自分の人生を生きる』ということが、『結果として、いろんな人を鼓舞させる』と伝わる物語になってほしい。それまでの道が山あり谷ありだったとしても、そこをずっと念頭に置いてお芝居をしていきたい」と意気込んだ。
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