松本穂香「本気って、こんなにすごいんだ」 レジェンド・角川春樹作品で受けた驚き
長回しは「現場の全体の温度が上がる感じ」
――長回しはどんな感じでしたか?
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「基本的に長回しで撮っているので、毎回緊張していました。本読みを何回もやってから、撮ってくださったので、その1回で終わっちゃう緊張感もあったと思います。監督は本読みでOKだった時点で、基本、あまりカットを重ねないんです」
――「私は光をにぎっている」でも長回しが多かったですね。
「長回しだと、スタッフのみなさんも、テンションがあがるところがあります。照明さんもすごくセットするのに時間がかかったりしますし、単なる作業じゃなくなる感じはあるのかなと思います。現場の全体の温度が上がる感じはありますね」
――俳優としてはやりやすいですか?
「やりやすい場面と難しい場面もあります。感情がだんだん上がっていくところがあったりすると、ワンカットの方がやりやすいと思いますし、ただ単にセリフがすごくしゃべるシーンは割った方がやりやすい。(本作では)感情の流れが大事なシーンが多いので、ワンカットっていうのはすごくいい方に作用していたんじゃないかな、と思います」
――大変だったシーンは?
「後半、又次さん(中村獅童)が刃物を持って、暴れるのを止めるシーンです。テストが終わってから、監督が『本気というのはそんなもんじゃないだろう』と少し声を荒げておっしゃったんです。その後の本番が、テストとはもう比べ物にならない熱量で、本気って、こんなにすごいんだ、と思いました。私も本当に止めにかかりましたし、止めないと人を殺してしまうっていうくらいでした。それを、身をもって経験できたことはすごくよかったです」
――さきほども大きい作品でプレッシャーがあったとおっしゃっていましたね。
「自分ではあんまり考えないようにしていたんですが、角川さんが(豪華な)セットについていろいろ言ってくださったり、『役者は本当にそろえる』と言って、今まで(角川映画に)出ていた方、素晴らしい面々がそろうとお聞きしていたので、ちょっと構えてしまうところとか、プレッシャーに思うところはあったと思いますね。現場はやれるだけのことを全部やり尽くしたみたいな、そういう場所だったので、ここでしかできない経験をさせていただいたんだろうなあと思います」
――薬師丸ひろ子さんはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」を見て、大ファンだったんですよね。
「純粋にうれしかったですね、『すごく見ていました』と話したら、優しく接してくださった。少ししかお話はできなかったですけど、とても素敵な方でした。素敵なお芝居をされる方は、ご本人も素敵なんだなと思いました」