「負けたら引退」 結成した軍団から追放された「カリスマ」レスラーが抱く覚悟

遠藤哲哉をなじる佐々木大輔(左)、弟分に裏切られてしまった
遠藤哲哉をなじる佐々木大輔(左)、弟分に裏切られてしまった

万が一の時は、DDTから撤退、海外も視野

 ただ「ひとりDAMNATION」も悪くない。元々は1人が好きなタイプで、毎日たしなむ酒も思えば「ひとり酒」だった。

 まずはビール。そしてウイスキー、もちろんロック。水や炭酸で割るなんて、もったいない。何より早く酔っぱらって楽しむ。基本、笑い上戸だ。練馬に行きつけの店がある。1人でいい。いや、1人がいい。

 1人、グラスを揺らしながら、遠藤をいたぶるシミュレーションを思い描く。「何も仕掛けてこられないじゃないか。アイツ、今頃、後悔している。間違いなくビビっていやがる」と完全に飲み込んでいる。

 あの日、遠藤は上から目線で挑戦者に指名してきた。「あの勘違いした、えらそうな顔。絶対に許さない。伸びた鼻をへし折ってやる」と、冷酷な笑みを浮かべた。

 11・3決戦に向け、ニューコスチュームを用意している。これまで通り、黒が基調。「DAMNATIONは、あくまで私のモノだから」と、ベースを変える必要もないし、つもりもない。

 万が一の時は、DDTから撤退する。ニューコスチュームで海外に行けばいい。これまでもアメリカはもちろん、ボリビア、チリ、ベトナム、台湾などさまざまな国に遠征してきた。

 マフィア映画を参考にした、佐々木のマイク、たたずまいは迫力満点。「練習なんてしない」とうそぶき、パッツンパッツンの肉体をこれ見よがしに披露する遠藤を、あくまで見下した。

 DAMNATIONを引き連れた遠藤に、佐々木がたった1人で立ち向かう。

トップページに戻る

1 2
あなたの“気になる”を教えてください