『風、薫る』子役時代を描かない理由 主人公2人が「出会うことによって歯車が大きく動いていく」

俳優の見上愛と上坂樹里がダブル主人公を演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第1回が30日、放送された。本作の制作統括を務める松園武大氏が取材に応じ、主人公たちの幼少期を描かない理由、Mrs. GREEN APPLEが手掛ける主題歌『風と町』への思いについて語った。

一ノ瀬りんを演じる見上愛【写真:(C)NHK】
一ノ瀬りんを演じる見上愛【写真:(C)NHK】

制作統括・松園武大氏が明かす ミセス起用は“真っ先に浮かんだ”

 俳優の見上愛と上坂樹里がダブル主人公を演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第1回が30日、放送された。本作の制作統括を務める松園武大氏が取材に応じ、主人公たちの幼少期を描かない理由、Mrs. GREEN APPLEが手掛ける主題歌『風と町』への思いについて語った。

 本作は、明治時代に看護の世界に飛び込んだ2人が主人公となるバディドラマ。看護師という職業の確立に大きく貢献した実在の人物、大関和(おおぜき・ちか)さんと鈴木雅(すずき・まさ)さんがモチーフとなる。見上は大関さんがモチーフの一ノ瀬りんを、上坂は鈴木さんがモチーフの大家直美を演じる。

 連続テレビ小説では主人公の幼少期を描き、子役を起用する形で第1週が始まることが多い。しかし今回、主人公2人の子役時代を描く形は取られていない。この点について、松園氏は「はっきりとした理由が実はあって、2人がどこで出会うのか、つまり、りんと直美が出会うことによって歯車が大きく動いていきます」と2人の出会いを描くことがより重要なのだと説明する。

 また、「看護婦の養成所に入る前に出会う設定にしていますが、2人が養成所に入る前から、お互いの存在が人生の選択の中で影響を与えるようになっていきます」と序盤の関係性にも言及。その上で、「基本的にはりんと直美という2人の女性の半生そのものを描く物語だと思っているので、子役時代をあえてなくして、大人になった2人から描き始めることで、なるべく早く2人を描きたいという思いがありました」と狙いを語った。

 第1回で印象的だったのは、Mrs. GREEN APPLEが手掛けた主題歌『風と町』と、その音楽とともに流れたアニメーションのタイトルバックだ。

 松園氏は主題歌起用にあたり、企画段階から大切にしていた本作のテーマとして、「静かに隣にたたずむ優しさ、誰かの手を強く引っ張っていくことではなくて、人と人とが自然にそっと手を携えるような空気感」があったといい、そのイメージに合うアーティストとして、Mrs. GREEN APPLEが真っ先に浮かんだという。

 そして楽曲制作では脚本に目を通してもらい、作品のテーマにも共感してもらえたとした上で、完成した『風と町』は「とても聞く人に優しい楽曲になっていると思います。朝ドラの主題歌は本放送だけで130回あって、再放送を含めると、何回も流れる曲になります。何度聞いても心地よく、肌になじんでいくような優しさがあります」と絶賛した。

 続けて、「ドラマの中で、人の命を扱う瞬間が何度も出てきます。少し心が苦しくなる回であったり、どうしても壁を乗り越えられない閉塞感みたいなことを感じる回も出てくるかもしれません。ですが、このドラマ全体を、下支えしていただけるような、そうした主題歌になっていると思います」と手応えをにじませた。

 そんな『風と町』が流れるタイトルバックは、緑豊かな自然とともに2人の主人公を描いた美しいアニメーションとなっていた。連続テレビ小説では実写などさまざまなパターンがあるが、「実写というのはもともと考えていませんでした。今回、明治時代という時代感と、その時代の中への没入感も含めて、当初からアニメーションがいいと考えていました」とコメント。

 制作においては、「アニメーションのタッチも、主題歌と同じように大事にしてほしい本作のテーマもお伝えして作っていただきました。その中で、自然の日の光、風、水といったものを大事にしたテイストで描いていただけたと思います」と評価した。

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