亡きじいちゃんのおかげ…CMディレクター大森歩監督が「うえだ城下町映画祭」大賞受賞

第23回うえだ城下町映画祭の企画「第17回自主制作映画コンテスト表彰式」が16日、長野・上田の上田文化会館で行われ、大賞(賞金10万円)には大森歩監督の「春」が輝いた。

大賞を受賞した大森歩監督
大賞を受賞した大森歩監督

 第23回うえだ城下町映画祭の企画「第17回自主制作映画コンテスト表彰式」が16日、長野・上田の上田文化会館で行われ、大賞(賞金10万円)には大森歩監督(33)の「春」が輝いた。

「春」は居候をする美大生のアミ(古川琴音)と、どんどん痴呆が進み、子供返りしていく祖父(花王おさむ)の交流を描いた31分の短編。「きりゅう映画祭」の助成を受けて製作され、既に文化庁メディア芸術祭の新人賞を始め国内の映画祭で数多く受賞している。

 CMディレクターとして10年以上のキャリアを持つ大森監督は「(多摩美術)大学時代にはじいちゃんの家に下宿していたんですが、私の仕事が忙しくなってから、1年に1回しか合わなくなってしまった。そんなじいちゃんが2年前に亡くなって、鬱になってしまい、仕事どころじゃなくなってしまい、撮った映画です。じいちゃんが私のふるさと。ほぼ実体験を基にしています」と亡き祖父への思いと感謝を語った。

 今回のコンテストは112作の応募からノミネート作品が選ばれ、長野県出身の古厩智之監督、大林宣彦監督の長女で料理研究家としても活躍する大林千茱萸(ちぐみ)氏、映画プロデューサーの柘植靖司氏が審査に当たった。

 受賞作の「春」については、古厩監督は「圧倒的な力があった。既にたくさんの賞を取っているが、これに賞を上げないのはこちらがつらくなる。完成度も高く、的確で美しい。エモーショナルな映画で感動した。一生に一回しか撮れない映画になっている。自分もこういう風に映画を撮りたいと思いました」とべた褒め。大林氏も「100点みたいな映画。プロとして活躍している人に何をあげたら、いいのだろうと思った」と絶賛していた。

 そのほか、審査員賞(大林千茱萸賞)は「I S I」(藤本明監督、15分)、審査員賞(柘植靖司賞)は「ペールブルーがかさなる」(田中麻子監督、30分)、審査員賞(古厩智之賞)は「されど青春の端くれ」(森田和樹監督、68分)、実行委員会特別賞は「おろかもの」(芳賀俊・鈴木祥監督、96分)が受賞した。

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