人気フェス出演のボーカルがなぜプロレスへ 東京女子の神嵜志音が明かす「バンド解散」と「恐怖心」の正体

東京女子プロレスの恒例興行ともいえる、毎年の1.4後楽園ホール大会。この大会では、過去の多くの新人のデビュー戦が行われてきたが、今年のイッテンヨンでも注目の新人がデビューした。その名も、神嵜志音(かんざき・しおん)。黒一色という東女では珍しいコスチュームカラーでデビュー戦に臨んだ彼女への初インタビュー、前編はプロレスラーになるまでの神嵜に迫った。

初のロングインタビューに答えた神嵜志音【写真:橋場了吾】
初のロングインタビューに答えた神嵜志音【写真:橋場了吾】

小学校から見始めたプロレス、中学校で完全にハマる

 東京女子プロレスの恒例興行ともいえる、毎年の1.4後楽園ホール大会。この大会では、過去の多くの新人のデビュー戦が行われてきたが、今年のイッテンヨンでも注目の新人がデビューした。その名も、神嵜志音(かんざき・しおん)。黒一色という東女では珍しいコスチュームカラーでデビュー戦に臨んだ彼女への初インタビュー、前編はプロレスラーになるまでの神嵜に迫った。(取材・文=橋場了吾)

 神嵜志音は、プロレス好きの家族の中で育った。小学校の低学年の頃から、プロレスには慣れ親しんでいた。

「最初に見たのは新日本プロレスでした。真壁(刀義)さんがIWGPヘビーのベルトを持っていたイメージが強いですね。そもそものきっかけは、テレビで『プロレス大好き芸人』の企画を見てからです。それから家族でプロレスを見に行くのが恒例行事になって。最初はただ付いていく感覚だったんですけど、中学生になってからですかね、面白さがどんどんわかってきてハマっていった感じです。後楽園ホールも両国国技館も行っていましたし、1.4は東京ドームに毎年行っていました。DDTも小学生のときから見ていて、選手の個性も凄くて、面白くて笑っていた記憶があります。当時から『変わっている』とは言われていましたね(笑)」

 中学校に入学してからは剣道を始めた神嵜。周囲は経験者が多かったそうだが、3年間しっかりとやり遂げた。

「そもそも剣道部がある学校が少なかったこともあり、大会にも出ていました。自分はめちゃくちゃ弱かったんですけど(笑)。初心者で入部した人もいましたけど、経験者の方が多かったですね」

 ここから神嵜の運命は大きく動き始める。高校進学を前に、とある高校の文化祭で音楽の魅力を知ってしまったからだ。

「高校に入る前に見に行った高校の文化祭で演奏している学生を見て、私も(音楽を)やりたいと思ってその高校を選びました。私の入学した高校は、部活ではなく、文化祭でライブ演奏をするという伝統があって、毎年体育館で演奏できたんです」

 黒のコスチュームでデビュー戦に臨んだ【写真:(C)東京女子プロレス】
黒のコスチュームでデビュー戦に臨んだ【写真:(C)東京女子プロレス】

恐怖心が勝ってしまいバンドは解散、しかし…

 歌うことは好きだった。神嵜は、その歌ができる高校に入学し、すぐにバンドを結成しボーカル&ギターを務めることになった。

「最初は先輩がバンドメンバーを振り分けてくれるんです。私はボーカル希望だったので、ほかのパート希望の子と組むことになって、最初はSCANDALや[Alexandros]、SHISHAMOのカバーをしていましたね。(筆者「いきなり演奏が難しいバンドを……」)リードギターがいたので、そこはお任せして(笑)。地元にあったライブハウスにも出るようになって、少し離れた場所のライブハウスにも出ていました。高校2年生のときには、コピーバンドと並行してオリジナルを演奏するバンドも始めて。そのバンドで世に出たいと思って、高校卒業後もアルバイトをしながら2年半くらいですかね、バンド活動をしていました」

 神嵜も作詞作曲を始め、バンドの知名度も上がっていった。しかし、神嵜の中で不安が大きくなっていった。

「世に出たいという気持ちと、怖いという気持ちが同時にあったんです。自分が作る曲への自信もなくなってきて。こんな状態で世に出たとして、大丈夫かなと。ありがたいことに、お客さんもYouTubeの閲覧数も増えて、大きな音楽フェスのオープニングアクトも出させていただいたんですが、大きくなっていくにつれ恐怖心が出てきて怖くなってしまったんです。最終的に世に出たい気持ちよりも恐怖心が勝ってしまって、解散することにしました」

 4年半続けていたバンドにも区切りをつけ地元に戻った神嵜は、プロレスを見ることはやめていなかった。

「地元に戻って半年くらい経って、また人前に立ちたいという気持ちが出てきてしまって。そのタイミングで出会ったのが、東京女子プロレスでした。存在はもちろん知っていたんですけど。がっつり見始めたのはそのタイミングで。SNSで弾き語り用のアカウントを作ってもなんかしっくりこなくて、みたいなことを繰り返していたときに東京女子の会場に足を運んだんです。実は私より先に家族はすでに東京女子を見に行っていたんですが(笑)、私が初めて東京女子を生観戦したときに『プロレスをやりたい』と初めて思ったんですよ」

(31日配信の後編へ続く)

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