「買っちまえ」女子大生が両親に相談せず大胆行動…愛車は早くも“4代目” スポーツカー3台持ちの衝撃

スポーツカーに興味のなかったエンタメ好きの女の子が、一気に引き込まれた。大学1年生の時に訪れた、人生激変の瞬間。今では、3台のスポーツカーと普段使い乗用車の“4台持ち”で、愛車たちに愛情を注いでいる。「自分自身、想像もしなかったです」。しかも、同じ車種を4台も乗り継いで……。そんな仰天のカーライフとは。

「ガールズカーコレクション(GCC)」に参加したオレンジのトヨタ86はなんと“4代目”【写真:ENCOUNT編集部】
「ガールズカーコレクション(GCC)」に参加したオレンジのトヨタ86はなんと“4代目”【写真:ENCOUNT編集部】

【愛車拝見#351】「周りの友達からは“やべえ人だな”って思われてるみたいです(笑)」

 スポーツカーに興味のなかったエンタメ好きの女の子が、一気に引き込まれた。大学1年生の時に訪れた、人生激変の瞬間。今では、3台のスポーツカーと普段使い乗用車の“4台持ち”で、愛車たちに愛情を注いでいる。「自分自身、想像もしなかったです」。しかも、同じ車種を4台も乗り継いで……。そんな仰天のカーライフとは。(取材・文=吉原知也)

 20代の会社員、ハチ子さんがいとおしそうに見つめるのは、トヨタ86。印象的なオレンジ色のボディーで、2017年式の後期型。HKS社製のスーパーチャージャー仕様で、納車して約2年。なんと、乗り継いで早くも“4代目”だという。「1、2、3台目は前期型のオレンジに乗っていました」。紆余曲折の愛車物語がある。

 きっかけは、大学1年生、部活動の先輩から見に行こうと誘われた映画『新劇場版 頭文字D』だった。自動車漫画・アニメの金字塔的作品に登場した数々のスポーツカーに魅了された。「車自体は好きでしたが、当時はスポーツカーには全然興味がなかったです。大学も電車で通ってるし、車はなくてもいいかな、免許を取るにしてもオートマで十分だよな。そんなふうに思っていましたが、『スポーツカーに乗りたい』となりました。AE86がかっこいいと思ったのですが、大学の先輩から旧車だから維持が大変だよと言われて、トヨタ86はまだ新車で買えるとのことで、興味が出てきました」。一発でスイッチが入った。

 そこから迷わず、免許を取得。「スポーツカーに乗るんだったらとにかくマニュアルじゃないと! と思って頑張って取りました。でも、オートマのスポーツカーもあるんだと、後から知りました」と笑う。

 初めてのマイカーは、憧れの86ではなくマツダRX-8だった。21歳、大学3年の終わりに手に入れた。「86を探していたのですが、中古価格がすごく高くて。RX-8は当時安くて、車格も同じぐらいだし、いろいろな面で互換性があると考えて、運転の練習をするにもちょうどいいかなと思って選びました」。

 学生時代の大きな買い物。家族に相談を「しない」という大胆な行動に出る。なぜか。

「絶対反対されるのが分かってたので、親には一切言わずに契約しました。買ってからそのまま家に乗って帰りました。買ってしまえば、親も手放せとは言わないだろなと思って、『買っちまえ』と」。言わば“強行突破”だ。両親の反応は「一周回ってノーリアクションでした。『この子なんかやっとるわー』みたいな感じで(笑)」と振り返る。

 マイカーを持って行動範囲が広がると、遠くのアルバイトにも通えるようになった。トヨタ自動車のディーラーでのバイト。ここで、遂に運命の1台と出会う。「下取りでオレンジの86が入ってきたんです。これだ! って。譲っていただきました。当時お付き合いしていたパートナーも86に乗っていて、助手席からの景色が変わって、2台の86で走るのは楽しかったです。自分の86に乗れているという実感がありました」。大学4年の時に、念願の86オーナーになった。

 3年ほど乗っているうちに、欲が出てきた。「最初はとにかく86に乗りたい、乗りたいが先行して1台目はオートマを買ったんです。やっぱりマニュアルがいいなと思うようになって乗り換えました」。見つけた個体は、オレンジ色の前期でグレードも内装の色も、偶然の一致。「たまたまが重なって、これは買うしかないって」。これまた運命的な86を“2代目”としてゲットした。

 しかし、幸せな時間は長く続かなかった。「自分の不注意で、半年ぐらいで事故で廃車にしてしまったんです」。しばらくは別の車に乗ることになった。一度、86から離れることになる。

 86と距離を置き、スズキ・ソリオに乗った。「ソリオはもともとは思い出の車なんです。大好きなKAT-TUNさんがCMに出ていて、車好きになったきっかけの車に乗れたことはすごくよかったです」。“推し活”で思い入れのある1台だ。

 それでも、86への気持ちはごまかせなかった。「離れようと思っていたんですけど、半年ぐらいで、もう無理でした(笑)。やっぱり乗りたいって」。驚くことに、“3代目”の86を購入する。「ほぼサーキット専用車」として、走り追求を楽しんだ。

「どっちかと言うと、私は後先考えずに突っ走るタイプですかね」

 もう一つ、驚がくのマイカーを手中に収めている。「3台目を探す間に待ちきれなくて、なぜかロードスターを契約してしまって……わけ分かんないことに(笑)。実は86から離れていた間も、ディーラーを回ってスポーツカーの試乗をしていました。それで、ロードスターに乗らせてもらって、『あっ欲しい』となって買っちゃいました。ガソリン車のロードスターを今買わないと! って。ジルコンサンドメタリックという珍しいカラーなんですよ」。

 そして、今の“4代目86”に至る。初マイカーのマツダRX-8、衝動買いのロードスターと普段乗りのソリオの4台を保有。スポーツカーへの情熱はとどまるところを知らない。

 駐車場の維持・管理だけで大変ではないか。「田舎なので、駐車場代は安く借りれるので。周りの友達からは“やべえ人だな”って思われてるみたいです(笑)。愛車はある意味家族のような存在、なくてはならない相棒なんです」。

 好きなものにいちずで、こだわり続ける。趣味や好きなことを思いっきり楽しむライフスタイルを貫く。「どっちかと言うと、私は後先考えずに突っ走るタイプですかね。それにしても、男性アイドル好きの女の子だった自分がまさかこんな道を歩むとは。自分が一番びっくりです。よくここまで来たなって。私ってネタしかないです(笑)」。

 これからも楽しく、自分らしく、愛車ライフを走っていくつもりだ。「86に乗って、いろんな場所に一緒に行きたいです。私は車がオーナーを選んでくれたと思っています。中古車でありますし、特にご縁があると感じています。だから、車が天寿を全うする時に、私をオーナーとして選んでよかったな、とそう思ってもらえるように大事に乗りたいです」と実感を込めた。

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