10代のダークサイド、いじめに向き合った問題作 高校生俳優・上村侑、体験を重ねた演技

演技をする上では柳楽優弥を参考にしていると話す上村侑(右)と内藤瑛亮監督【写真:山口比佐夫】
演技をする上では柳楽優弥を参考にしていると話す上村侑(右)と内藤瑛亮監督【写真:山口比佐夫】

上村侑「僕はどんな役でもやらせてもらえる俳優になりたいと思っています」

――監督が苦労された部分は?

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内藤「自主映画なので、集合場所から現場に俳優を連れていくのも僕の仕事なんですよ。普段、商業映画の現場では、車両部の方がやってくれていたんだな、と思いました。スタッフは映画学校の同期だったので、積み上げたものもありつつ、フラットに考え直す場面もありました。いろんなケアをしながら作っていきました」

――2人とも次回作への期待も高まりますが、次に向けて、どんなことを考えていますか?

内藤「デビュー作からやってきたことに、区切りがついた感じがありますね。だから、今までとは全然違うタイプの作品を作れるかなと思います。あの監督は、人が死ぬ映画しか撮らないと思われているかもしれないけど、普通にラブコメを撮ってみたいですね(笑)」

上村「僕はどんな役でもやらせてもらえる俳優になりたいと思っています。演技をする上で参考にさせてもらっているのが、柳楽優弥さんです。『顔が似ている』と言われることもあるので、まずは柳楽優弥さんに寄せていくことから始めてみようかな、と」

内藤「寄せていくんだ?」

上村「演技って、物まねみたいな部分があると思うので、参考にしやすい部分から始めようかな、と。そうやっていく中で、人と違う部分、『上村侑らしさ』が自然と出てくるんじゃないかな、と思っています」

内藤「学校の方はどう?卒業後はどうするの?」

上村「俳優一本でやっていきたいと思っています。何かアドバイスをもらえますか?」

内藤「僕の現場で学んだこと、僕から伝えたものもあると思うけど、世の中には全然違う角度の考えの監督もいるし、違うことを求められる現場もあると思う。だから、別にこの現場で学んだのを全部、重要視しなくていいよ。柔軟にやってね。それでまた、別の現場で会えれば、それが一番うれしいね」

上村「そうします! 今度はラブコメのかっこいい役で使ってください!」

□内藤瑛亮(ないとう・えいすけ)1982年、愛知県出身。特別支援学校(旧養護学校)に教員として勤務しながら、自主映画を制作。初長編「先生を流産させる会」がカナザワ映画祭で話題となり、2012年に全国劇場公開。教員を退職後は、夏帆主演「パズル」や山田杏奈主演「ミスミソウ」など罪を犯した少年少女をテーマにした作品を多く手掛ける。

□上村侑(うえむら・ゆう)2002年11月2日、鹿児島出身。2017年芸能界デビュー。19年、東海テレビ・フジテレビ系「仮面同窓会」に出演したのをはじめ、CM、テレビ、映画に幅広く活躍。特技は殺陣、乗馬、パルクール、バスケットボール。

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