伊藤沙莉が18歳で味わった挫折 “学生役”で終わらなかった女優人生

ドラマ「これは経費では落ちません!」「いいね!光源氏くん」(ともにNHK)など話題作に相次いで出演、数々の賞を受賞し、活躍の幅を広げている女優・伊藤沙莉。日に日に存在感を増しながらも「その世界での新人でいたい」とその探究心は尽きない。伊藤が18歳で経験した挫折、それでもひたむきに演技に向き合い続ける原動力、そして吹き替えで少年役に挑戦したアニメ映画「小さなバイキング ビッケ」への意気込みを語ってもらった。

伊藤沙莉が18歳で経験した挫折とは【写真:荒川祐史】
伊藤沙莉が18歳で経験した挫折とは【写真:荒川祐史】

少年役に挑戦のアニメ映画「小さなバイキング ビッケ」 存在感を増す伊藤沙莉にインタビュー

 ドラマ「これは経費では落ちません!」「いいね!光源氏くん」(ともにNHK)など話題作に相次いで出演、数々の賞を受賞し、活躍の幅を広げている女優・伊藤沙莉。日に日に存在感を増しながらも「その世界での新人でいたい」とその探究心は尽きない。伊藤が18歳で経験した挫折、それでもひたむきに演技に向き合い続ける原動力、そして吹き替えで少年役に挑戦したアニメ映画「小さなバイキング ビッケ」への意気込みを語ってもらった。

――10月2日に公開されるアニメ映画「小さなバイキング ビッケ」では、主人公・ビッケの声を担当されました。アニメの吹き替えと通常のお芝居で、役へのアプローチの違いは感じましたか。

「アニメーションは、『こういう表情をしているからこういう話し方になる』という風にちょっとだけ答えが詰まっているので、普段のお芝居に比べたら『こういう感じかな』とふわっとした感じで現場にいくことはない気がします。その代わり、答えが出ている分、そこに寄せるのが難しかったりもします。実写のお芝居は『こういう動きは必要ない』『無駄に動かない』とか、いらないものを排除してやらせていただいています。

 あと、無意識に変な顔をしている時があるらしくって……。実写では気を付けています。アニメは声だけの分、大げさな表現の方が近道なこともありますし、どんな顔をしてていもバレないので(笑)こういう顔をした方がこの声が出せるとか、そういうアプローチができる。縛りはあるのに自由だと思います」

――ハスキーな声がとても魅力的な伊藤さん。声優、吹き替えという仕事にはもともと意欲があったのでしょうか。

「声だけで表現することにすごく興味があって、ずっとやってみたかったジャンルのお仕事でした。やっぱり知らないことを知ったり、やったことがないことをやったりということが本当に大好き。好奇心で生きてきたので。そのジャンルにおいてとか、その世界においての新人でいることがすごく楽しい。緊張もしますし、足を引っ張ってはいけないとかそういう感情もありますが、ひそかにワクワクして臨んでいます」

――今、挑戦したい新しいジャンルはありますか。

「先日『コントをやりたい』と言ったらすぐに実現したので、口に出すことは大事と思いました(笑)今年の1月に「オールナイトニッポン0(ZERO)」を担当させていただいて、好きなおしゃべりが何かになったらおもしろいなと思っていますが、私はしゃべりすぎてしまうんです……。でも、いつかおしゃべりして成り立つものができたらいいなと思います」

次のページへ (2/3) 壁にぶつかり飛躍遂げる 「このまま学園ドラマをやって、いなくなっていくんだと思っていました」
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