瀧内公美、セクハラ監督に怒りを見せる女優役を好演「私だったら、逃げる」
柄本佑と共演「火口のふたり」でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞受賞
――劇中の瀧内さんはいままでの作品ではない怖い表情でした。こんなに険しい顔の女優さんだったかな、と思うくらい。セクハラ監督への怒りがにじみ出ていました。
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「今まででの瀧内で最強に怖いってことですか(笑)。何パターンか撮っていただいたので、最終的に監督にセレクトしていただいたんだと思うんですが、目の前に製作者を演じた大西さんら4人の男優さんがいらっしゃって、イラッとしたんでしょうね。もちろん、黒川の奥にある怒りみたいなものはあるんですけども、いざ対面すると、眠っていたものがヘドロのように出たんでしょうか。いろんなことを投げかけられるので、感情を引き出していただいたんですね」
――ということは大西さんの演技が素晴らしかった?
「そうですね。製作陣4名のお芝居のおかげです(笑)。瀧内個人としては反応しないような言葉もあって、笑っちゃったりもするんですけども、黒川というキャラクターを理解しながら演じるとあのようになった、という感じでしょうか」
――今年の初めは柄本佑さんと共演した「火口のふたり」でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞を受賞。とてもいいスタートが切れましたね。
「あの作品で賞をいただけることがすごくうれしかったですね。少人数で作った作品ですし、ロケ地の秋田の方々の協力があってこそでき上がった作品でしたし、そういう方々にも恩返しができた。映画を見ていただけるきっかけの一つにもなりました」
――そんな中、コロナ禍になってしまい、出演映画「カゾクデッサン」(今井文寛監督、3月21日)は初日舞台あいさつにも立てなかった。
「悔しい気持ちはありました。作品に携わっている方々はそれぞれ感じていることはあったと思います。ですが、安心して見ていただける環境が整うまでは難しいのかなとも思いました。コロナで一時、仕事はお休みにはなりましたが、また、今はこうして、お仕事を徐々に再開させていただける状況ではあります。自粛明けに、撮影で段取りをやった時は、まだ何もやっていないのに、こみ上げてくるものがありました。もちろん、フェースシールドやマスクをつけながらという状況はありますけど、目の前の人と会話できる、芝居ができる。自粛中、人と会うことがなかったので、すごくうれしかったです。お仕事をさせて頂ける感謝の度合いは変わりました」