柴咲コウ「数字は苦手」でも挑む“社長業” 俳優・音楽・経営、すべてを貫く信念
柴咲コウは、俳優として20年以上のキャリアを持ち、音楽や経営にも活動の場を広げている。最新作のABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』(11月19日スタート、水曜午後10時より毎週無料配信、全6話)では芸能事務所の女社長を演じているが、自身も独立して事務所を運営し、作品づくりや音楽活動にも力を注いでいる。そんな柴咲はどんな思いで多彩な仕事に向き合っているのか。

柴咲コウインタビュー後編…ABEMA『スキャンダルイブ』で芸能事務所の女社長
柴咲コウは、俳優として20年以上のキャリアを持ち、音楽や経営にも活動の場を広げている。最新作のABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』(11月19日スタート、水曜午後10時より毎週無料配信、全6話)では芸能事務所の女社長を演じているが、自身も独立して事務所を運営し、作品づくりや音楽活動にも力を注いでいる。そんな柴咲はどんな思いで多彩な仕事に向き合っているのか。(取材・文=平辻哲也)
柴咲自身も2016年に会社を立ち上げ、現在では俳優2人、文化人1人が所属している。しかし、当初のメインはコマース事業で、芸能事務所を経営しようと考えていたわけではなかった。
「監督作品のオーディションで出会った若い子たちが事務所に所属していなくて、そのサポートをしたのが始まりでした」
彼女が言う監督作品とは、2022年公開のオムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS Season2』で手がけた短編『巫.KANNAGI』のことだ。「表に立つのとは違う難しさはありますが、同じ立場を経験しているからこそ寄り添える部分があると思います」
経営者としての責任についても率直に語る。
「タレントを支えるのは簡単なことではありません。法律や社会保険など専門的なことは信頼できる方に任せています。私は数字が得意ではないので。ただ今も“出る側”を続けているからこそ、現場の空気やクリエイティブの苦労を理解できる。それが自分の強みだと思います」と微笑んだ。
独立後の変化についてはこう話す。
「以前がそうだったわけではないですが、人が介在すると誤解や行き違いが生まれることもあります。風通しを良くしたいと思えば、自分で背負ったほうが気持ちは楽なんです」

1998年に俳優デビューしてから四半世紀。映画賞に輝くなど華々しいキャリアを築いてきたが、本人は冷静に受け止める。
「気づけば20年以上やってきましたが、振り返るのは得意ではありません。『GO』で映画賞をいただいても『なぜ自分なんだろう』と戸惑うばかりで、重く感じることもありました。今も過去を振り返るより、その都度目の前の作品に集中することを大切にしています。評価は時代やタイミングによるところが大きく、“たまたま”だと思うことも多いです」
また、監督業やプロデュースへの意欲も隠さない。
「自分で作品を撮りたいという気持ちは常にあります。準備段階から考えるのが一番楽しく、自分の性格にも合っていると思うんです」
アイデアが浮かぶ瞬間については日常的な場面を挙げる。
「運転しているときですね。車を走らせながら頭を整理すると、次々とアイデアが湧いてきます。掃除をしているときと同じ感覚。思いついたものはメモに残して、後で形にしています」
今後の展望について尋ねると、こう答えた。
「作品は受け取ってくださる方の反応ありきの世界です。今回のドラマがどう受け止めてもらえるのかが一番気になります。個人的には異なる役柄にも挑戦していきたいですし、年末のツアーでは自分自身を解放できる時間も大切にしたい。作品と音楽、その両方でアクティブに活動していきたいと思います」
立場や肩書きが増えても、彼女の視線は常に「目の前の作品」に注がれている。その一言一言からは、揺るがぬ姿勢と新しい挑戦心がにじんでいる。
スタイリスト: 柴田 圭
ヘアメイク: SHIGE(AVGVST)
アイテム
・ドレス / FETICO(THE WALL SHOWROOM)
・ピアス(右耳) /avgvst
※その他スタイリスト私物
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tel: 050-3802-5577
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