川口春奈のブレない演技への姿勢 大切にする“見る人”への誠実さ「人生を変えてしまうこともある」
俳優として第一線を走り続ける川口春奈。11月19日スタートのABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』(水曜午後10時、全6話)では週刊誌記者を演じ、新境地に臨んだ。しかし、現場での姿勢や演技に対する考え方は一貫して「自然体」に根ざしている。彼女が語る俳優としての在り方そして30代を迎えた今の未来予想図とは。

ABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』で記者役
俳優として第一線を走り続ける川口春奈。11月19日スタートのABEMAオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』(水曜午後10時、全6話)では週刊誌記者を演じ、新境地に臨んだ。しかし、現場での姿勢や演技に対する考え方は一貫して「自然体」に根ざしている。彼女が語る俳優としての在り方そして30代を迎えた今の未来予想図とは。(取材・文=平辻哲也)
「意識してというより、ルールや形にはめすぎると自分の良さが出ない気がするんです。柔軟性を持って、決めすぎず固めすぎずいる方がパフォーマンスも高くなる。まだ模索中ですが、自然体でいることは自分にとって大事だと思います」
その姿勢は子どもの頃から変わらない。
「褒められたいとか、目立ちたいと思ったことはあまりなかったです。友達と楽しく過ごすのが好きでしたし、今も切り替えは早い方。ずっと気を張っているタイプではなく、感覚的に芝居に入れるのも自分の特性だと思います」
演技に臨むときは、常に誠実であることを心がけている。
「違う人の人生を演じるのはとても特殊で、見た人の人生さえ変えてしまうことがある。だからこそ誠実に向き合うことが大切です。体も心も感情も全部注いで挑むのは大変で、カロリーの高い仕事ですが、見る人にどう届き、どう影響するかを常に考えています」
俳優の仕事は時に見ている人々の人生に影響を与える瞬間もある。
「『この職業を目指すことになった』とか、『子どもの名前を春奈にしました』とか、人生の節目に自分が関わっていると知ったときは本当にうれしいです。純粋に力をもらえますし、もっと頑張らなきゃと思います」
自身のキャリアのターニングポイントを聞くと、意外なほど淡々としている。
「熱量はどの作品でも同じで、この作品だから特別に自分が変わったというのはないです。評価していただくのはあくまで見てくださる方。自分としては常に同じスタンスで臨んでいます。分岐点やターニングポイントは、振り返ったときに見えてくるものかもしれません」
リラックス法についてはシンプルだ。
「一度忘れて寝てしまうことです。切り替えるしかない。あとは好きなご飯やお酒、気心の知れた人と過ごす時間を大事にしています。今回の撮影でもキャストの方と食事に行けたのはありがたかったです。そういう時間が翌日の芝居にもつながるし、人を知ることで演技の幅も広がると思います」

仕事においては「一人では何もできない」と強調する。
「やっぱり普段一緒に頑張っているスタッフさんやチームです。私は一人では何もできないので、本当に支えてもらっていると思います」
作品の選び方については、マネジャーとの信頼関係が大きい。
「マネジャーと話し合いながら決めています。感度を共有しておかないとズレてしまうので、普段からコミュニケーションを大切にしています。年齢やこれまでの経験を踏まえて、同じ方向に進めるようにしています」
30代に入った今も、さらに先を見据えている。
「早く30代、40代になりたいと思っていました。経験や深みが加わることでできる役も増えるし、面白さが広がると思います」
最後に、今後の俳優像について尋ねると、迷いのない言葉が返ってきた。
「作品の持つメッセージを体現して、自分にしか出せない色を出していきたい。志を同じくする人たちと一緒に仕事をできたら幸せですし、楽しみながら成長していきたいと思います」と川口。自然体でいることを大切にしながら、観客に誠実に向き合い続ける。その歩みはこれからも、その飾らない姿勢とともに続いていく。
□川口春奈(かわぐち・はるな)1995年2月10日生まれ、長崎県出身。2007年、雑誌『ニコラ』のオーディションでグランプリを獲得。翌年、フジテレビ系連続ドラマ『東京DOGS』(09年)で俳優デビューした。12年には映画『桜蘭高校ホスト部』で映画初主演。22年にはエランドール賞新人賞を受賞。以降、ドラマや映画のみならずYouTubeなど活躍の場は多岐にわたる。近年の主な出演作には、映画『九月の恋と出会うまで』(19年)、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(20~21年)、映画『極主夫道 ザ・シネマ』(22年)、フジテレビ系連続ドラマ『silent』(22年)、映画『マイ・エレメント』(23年/声の出演)など。
スタイリスト:緒方なぎさ(サブレットプラージュ)
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