菅政権の政策は「総じて小粒」 舛添前都知事が新首相に求める“大局観”とは
官僚統制で忖度がもっとひどくなる…新政権の“アキレス腱”とは
「縦割り行政は悪いこともあるが、やっぱり各省庁の独立性というのはある程度は守ったほうがいい面もあるんです。コロナ対策にしたって、経産省がある程度で解禁しようと言ってるときに、厚労省が絶対ダメだと歯を食いしばって抵抗することがあってもいい。そのために各省庁がバラバラになっている」と縦割り行政の意義を説明。その上で「菅さんは、政権の決めた政策の方向性に反対する省庁幹部は『異動してもらう』と明言しています。みんな面従腹背というか、一層のゴマすり合戦になるでしょう。忖度はもっとひどくなると思います」と見解を語る。
この件に関して、舛添氏は「菅さんに一番言いたい言葉は『過ぎたるは及ばざるが如し』。やるのはいいが、やりすぎたらアウト。『異動してもらう』という発言は言わないほうが良かった。結局、飛ばされた奴は頭にきて、内部告発やスキャンダルネタをばらす可能性がある。そこが一番のアキレス腱になる可能性がある」と指摘した。
前政権の継承ということもあり、官僚統制以外の政策については「総じて小粒」と言い切った舛添氏だが、長らく親交のある菅首相にはこんな形でエールも送る。
「秋田出身だけあって、地方のことはよく分かってる。それを国政にどう反映するか。ふるさと納税もいいとは思うが、それだけで地方が良くなるのかといえばそうではない。日本全体をどうするかを頑張って見せてほしい。最近、首都移転の話も出てこないが、例えば東北6県を一つにして東北州みたいなものを作って東京に負けない自立性を持たせるとか。本格政権になるんだったらそのぐらいのことをやってほしい」
期待の大きさがあるからこそ、裏返しの意味での厳しい指摘。菅首相は安倍政権の継承に留まらない、力強いリーダーシップを取っていけるのか。