ベストセラー『君のクイズ』実写映画化決定 作家・小川哲氏「非常にワクワクしております」

作家の小川哲氏による小説『君のクイズ』が、実写映画化されることが21日に発表された。吉野耕平氏が監督を務める。

小説『君のクイズ』の実写映画化が決定【画像:(C)2026 映画『君のクイズ』製作委員会】
小説『君のクイズ』の実写映画化が決定【画像:(C)2026 映画『君のクイズ』製作委員会】

第76回日本推理作家協会賞を受賞

 作家の小川哲氏による小説『君のクイズ』が、実写映画化されることが21日に発表された。吉野耕平氏が監督を務める。

 本作は、『ゲームの王国』で第31回山本周五郎賞、『地図と拳』で第168回直木賞を受賞した作家・小川氏が2022年に発表した小説。“クイズ”という日常的なゲームを題材にしながらも、想像を超える緻密かつスリリングな展開で、各界から絶賛を浴び、第76回日本推理作家協会賞を受賞。10月21日現在、26万部を超えるベストセラーとなっている。

 この度、映画という“舞台”に姿を変え、26年全国公開が決定した。物語の始まりは、賞金1000万円を賭けて戦う生放送クイズ番組「Q-1 グランプリ」。世間が注目する1対1の早押しクイズ決勝戦、その最終問題で事件は起こる。張り詰めた空気の中、主人公・三島と争う対戦者・本庄絆は1文字も問題文が読まれてない中で早押しをして正解に導いてしまう。

 監督を務めるのは、『ハケンアニメ!』や、現在公開中の『沈黙の艦隊~北極海大海戦~』を手掛ける吉野氏。『沈黙の艦隊』シリーズ全体の演出も担っている。

 解禁となった超特報とファーストルック映像は、本作のまさに根幹を成す謎―「クイズ番組の優勝者は、なぜ問題を一文字も聞かずに正解できたのか?」を提示するコンセプチュアルな内容となっている。映り込む男の背中、突如押されるボタン。さまざまなシーンがフラッシュで映し出される中、「これは全国民へのクイズ」というメッセージが浮かび上がる。見るものすべてが“クイズの参加者”となる体感型映画。キャスト、スタッフ、公開日などはベールに包まれたままだ。

 原作者・小川哲氏は「『早押しクイズ』って、問題も文章だし解答も文章だし、実はとても小説と相性がいいのではないか、という仮説から始まった作品が、こうして映像化されることになって、原作者としても非常にワクワクしております。クイズと小説は相性がいいとはいえ、文章に移し替えることでいくつかの要素を表現しきれないのもまた事実です。解答者の表情や息遣い、ボタンを押したあとの緊張感、体の動きや細かな仕草、そしてピンポンの音。吉野監督の手によって、原作で伝えきれなかったクイズの魅力がみなさまの元へ届けられることを、今からとても楽しみにしております」とコメント。

 また、吉野監督も「クイズという宇宙を、言葉だけで極上のエンターテインメント小説に変換してしまった唯一無二の作品『君のクイズ』。そのあまりの面白さに、気がつけば読んだ直後に映像化への挑戦を決めてしまっていました。今思えば、もう少し立ち止まって考えてからでも良かったのかもしれません。果たしてこの小説の面白さを音と映像に再変換できるのか……? その映画化という史上最大の難問に挑むことになってしまいましたので。いくつかの幸運と無数の出会いに支えられてたどり着いた、映画『君のクイズ』。自分たちなりの一つの解答を世に送り出せる日が今から楽しみです」とメッセージを送った。

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