【オヤジの仕事】正統派二枚目俳優・村上弘明は4人の子だくさん 子育てへの強い思いと心残り語る
デビュー以来、時代劇、現代劇で活躍し続ける俳優の村上弘明さん(63)。夫人の村上都さん(52)とともに、長女・未久里さん(27、社会人)、長男・由歩さん(25、俳優志望)、次女(20、大学生)、次男(16、高校生)の4人の子どもを育ててきた。仕事で多忙を極める中、4人もの子の父親として、どのような思いを持って子育てに取り組んできたのか。村上さんにじっくり聞いた。
幼子の成長過程を仕事で見られず悔しかった
デビュー以来、時代劇、現代劇で活躍し続ける俳優の村上弘明さん(63)。夫人の村上都さん(52)とともに、長女・未久里さん(27、社会人)、長男・由歩さん(25、俳優志望)、次女(20、大学生)、次男(16、高校生)の4人の子どもを育ててきた。仕事で多忙を極める中、4人もの子の父親として、どのような思いを持って子育てに取り組んできたのか。村上さんにじっくり聞いた。
実は子どもをほしいとは特に思っていませんでした。でも、実際にできたら、かわいい。長女の未久里(みくり)が2歳になる前、タイで3か月間撮影をする仕事があり、長男の由歩(ゆうほ)を身ごもっていた妻が未久里と成田空港に見送りに来てくれた。僕がタイにいる間に出産する予定だったので、後ろ髪を引かれる思いでしたが、僕はタイでの3か月間、成田で別れた時の娘の残像を思い抱いて過ごしました。
その年頃の子どもの成長ははやい。帰国した時、成田に迎えに来てくれたのですが、残像の娘とまるで違う子のようでした。娘も僕を見て、この人誰という顔をしている。父親として、それほど変わる娘の成長過程をしっかり見ておきたかった。3か月を返してくれという思いになりましたね。
子どもを公園に連れていくのが役目だった
仕事が忙しく、二十数年東京と京都を行ったり来たりで、週のうち半分は京都の仕事をして後の半分は東京で仕事をして、家に帰るのは寝るだけという状況がずっと続きました。ですから、家のことは妻に任せきりにならざるを得ない状況にありました。自分としてはもっと子どもとの触れ合う時間を持ちたかった。特に小さい頃、たっぷりと読み聞かせなどができたらよかったなと思っています。時間が許す限りやってはいましたけれども、僕自身に時間がなく、心残りの面があります。
オフの時は、子どもとの時間を大切にしてきました。子どもが小さい時は最寄りの公園に連れていくのが僕の役目でした。もちろん朝夕は食事を共にする。仕事で夜遅く帰宅した時などは眠いけれども、朝起きて一緒に食べます。特に夕食は家にいる時は必ず一緒に食べる。食事は子どもがいろんなことを話せる場です。学校でのこと、友人関係のこと、自分の思いなどをいちばん話せる時なのではないかと思います。話を聞きながら、僕も自分の思ったことを話す。押し付けにならないようにですが。押し付けると、子どもは途端に拒否しますからね。未だに子どもに拒否的な反応がしばしば見られるということは、自分では意識していなくても、押し付けがましくなっているのかもしれません。僕の反省点ですね。