大ヒット映画「ジョーカー」をダイアモンド☆ユカイがロック視点で分析

ジョーカーとレッドウォーリアーズの共通点を語るダイアモンド☆ユカイ
ジョーカーとレッドウォーリアーズの共通点を語るダイアモンド☆ユカイ

レッドウォーリアーズのダイアモンド☆ユカイは「ジョーカー」だった!?

 さらに話はロックと「ジョーカー」の共通点について進んでいく。

「自分でいうのも照れ臭いんだけど、レッドウォーリアーズっていうバンドの中のダイアモンド☆ユカイは、まさにジョーカーだったと思う」

 幾多の解散、再結成を経て、2019年に完全復活を宣言したレッドウォーリアーズ。80年代当時のダイアモンド☆ユカイを知るファンは現在のタレント活動が信じられないくらい、傍若無人なロックンロールのバッドボーイ的存在だった。

「自分が影響を受けたものとか、世界観が詰まったもの、多少の表現の違いはあっても、当時、向かっていた方向は、アメリカン・ヒールのエンターテインメント的な格好良さだった。そこに共通する部分を感じたね。ただ自分は強さを求めているのに対して、ジョーカーは、人間的な弱さがある。そこで感じたのは、彼の弱さに惹かれる部分が大きいんじゃないのかな。まるで太宰治とかドフトエフスキーの世界観のような狂気を、こちらが覗き込んで楽しんでいるというか。でも、こっちは見ることで痛みを伴うんだけど、それ以上に、惹き込まれてしまうという、なんだろうね。その弱さ、負のエネルギーが歪曲の世界を創っているね」

 さらにレッドウォーリアーズ時代の作品にも共通するものがあるという

「バンド解散前の89年にリリースした『スウィンギング・デイズ』というアルバムがあって、そこに登場する人物が道化師なんだ。世の中の確執や葛藤、権力への抵抗、自分の存在意義を問いたり、誰しもが心の中にそういった感情が潜んでいて、どこかで世の中を憎んだりとかね。実際、自分もそういう瞬間はありましたし、まさにジョーカーと感情の部分でシンクロしたのかな」

 今年10月に開催されたレッドウォーリアーズの東京公演(舞浜アンフィシアター)で、ダイアモンド☆ユカイは顔の半分をジョーカーのメイクを施して、ステージに立った。

「30年振りに『スウィンギング・デイズ』の再現ライブをやって、せっかくやるならストリー・ラインを作ろうと思って、デヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』みたいな物語が根底に流れるようにステージを構成したんだけど、実はその裏物語が『ジョーカー』だった。顔半分をジョーカーのメイクをして歌った理由? ジョーカーってジョークでしょ。だから自分も半分ジョークって意味を込めてね(笑)」

ロックスターのごとく惹き込まれていってしまうジョーカーの魅力 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC
ロックスターのごとく惹き込まれていってしまうジョーカーの魅力 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC

ホアキン・フェニックスはパーフェクト

 映画「ジョーカー」の劇中曲で流れる音楽も、クリームやジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、ゲイリー・グリッターなど、舞台・人物・音楽が見事にシンクロして、効果的にヒールの格好良さを演出している。これについて聞いてみると

「うん、確かにね。でも。あれが突き刺さったよね。やっぱりフランク・シナトラの『ザッツ・ライフ』でしょ」

 最後に主演のホアキン・フェニックスについての感想を聞いた。

「ホアキン・フェニックスの印象で全部終わってしまうぐらい、パーフェクトでしたね。彼の生い立ちを何かで読んだんだけど、ジョーカーと似たような屈折した家庭環境で育っていて、知れば知るほど、この作品は彼が演じるためにあったのかなって思った。精神的な痛みがスクリーンから伝わってきて、なかなかそういう演技って、ハードだったんじゃないのかな」

□ダイアモンド☆ユカイ
1962年3月12日生まれ。1986年、伝説のロックバンド「レッドウォーリアーズ」のボーカルとしてメジャーデビュー。現在は「ダイアモンド☆ユカイ」として音楽活動を中心に舞台・映画・バラエティー番組に出演するなど幅広く活動。2018年「ベストファーザーイエローリボン賞」受賞。19年、ダイアモンド☆ユカイのカバー・アルバムシリーズの集大成「The Best Respect」をリリース。12月14日に地元・栃木県佐野市のアルシオーネ・コート佐野でディナーショーを開催する。

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