一度はキャンセルした人気車種を再び購入、「人生一度きり」で決断した40代女性が始めたYouTube「軌道に乗れば」
「人生、一度きりだから」。40代になり、決断した。長い納車期間を待てずにキャンセルしたが、再び購入を決めた人気車。今年2月に手元に来ると、勢いのままに、なんとYouTubeチャンネルを立ち上げたのだ。久しぶりのマニュアル運転は、夫に「怒られながら」覚え直して……。40代女性オーナーは、愛車と共にチャレンジ精神を貫いている。

【愛車拝見#327】「ほぼ教習所以来だったので、やっぱり忘れていて……」
「人生、一度きりだから」。40代になり、決断した。長い納車期間を待てずにキャンセルしたが、再び購入を決めた人気車。今年2月に手元に来ると、勢いのままに、なんとYouTubeチャンネルを立ち上げたのだ。久しぶりのマニュアル運転は、夫に「怒られながら」覚え直して……。40代女性オーナーは、愛車と共にチャレンジ精神を貫いている。
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最新鋭のホンダ・シビック タイプR(FL5型)。真っ赤なボディーカラーが鮮烈な印象だ。購入までちょっとした紆余曲折がある。
アルファードなどこれまでいろいろなタイプに乗ってきた。スポーツカーへの憧れは心の奥でずっとあり、「GTレースに出ている車に乗りたい」という夢を持っていた。トヨタ・GRスープラに乗っていた時期もあり、自分なりに理想のスポーツカーを探してきた。
タイプRは一度申し込んだものの、数年先の納車まで待ちきれずに一度キャンセル。「実はその後に、初めてのBMWに乗ってみたんです。半年ぐらいM4に乗っていました。ディーラーさんから連絡があって、キャンセル待ちでも申し込めるとの話を聞いて、気持ちがまた傾きました。BMWがうまいこと売れることになり、もう一度予約したら1か月半ぐらいでタイプRが来たんです」。こうして、国産スポーツカーの売れ筋モデルが愛車になった。
免許を取得したのは20代後半。マニュアルを一応選択したが、もっぱらオートマ車に乗ってきた。スポーツカーが活躍する映画などを見るにつれ、どんどん魅了されるように。それでも、「自分で買うまではいかなかったです」。気が引けていた。
40代にさしかかり、“残りの人生”についても考え始め、「新しく何か始めたいな」。チャレンジを強く意識するようになった。「中学生の時に手相が話題になって、私は生命線が短いのですが、当時、『私は早く死ぬんだ』と真に受けたんです。でも、そこから『やりたいと思ったことをやらないと』という人生観を持つようになりました」
40歳前後の時、当時の愛車スープラで、サーキット走行を1回だけトライしたことがある。ショートコースのお試しだったが、あの走る感覚が忘れられないでいた。
不惑を迎えて新しい何かを――。人生の“答え”は、長く楽しめる趣味でもある、「車」に定まっていった。「ついでに、YouTubeも思い切って始めてみました。やっぱり維持費がかかるので、軌道に乗れば、タイヤ代を稼げるなって(笑)」。
本業の仕事の傍らで始めてみたYouTubeチャンネル。テーマは「40代からのMT女子」だ。タイプR購入からの日々の記録、カスタムの様子などを発信している。動画編集はアプリを駆使してなんのその。チャンネル登録者数は950人を超え、着実に成長を続けている。それに、ピッカピカの磨き具合は自慢の1つだ。「コーティングは夫と2人でやりました。7層塗ったんです。朝から晩まで頑張った結果です」と胸を張る。
だが、越えるべき壁が出てきた。久しぶりのマニュアル運転だ。最初は苦労の連続だった。鍛え直してくれたのは、夫だ。「夫からは『マニュアル大丈夫なの?』と言われましたが、ほぼ教習所以来だったので、やっぱり忘れていて……。なかなか身に付いていないものですね。『何からするんだっけ?』と、発進の仕方から、一からやり直しでした。夫に教わりながらでしたが、『教習所で習ったんだよね?』と怒られながら、しっかり学び直しました」。夫の“スパルタ教育”の成果も出て、マニュアル操作でだいぶ乗りこなせるようになってきた。
人生に前向きな変化をもたらしてくれたタイプR。もう少し慣れてきたら、次に目指すのは「サーキット場」だ。YouTubeでも、ドライブ動画やサーキット挑戦をアップすることを検討。具体的な目標やライフワークがあるからこそ、日々の仕事にも身が入るという。
新たなチャレンジを通して、ライフワークを見つけたり、人脈を広げたり。よりいい人生を送るためのスパイスになる。「思い立ったらやってみる。私はそうやって生きてきました。40代の皆さんにとって、何か新しいことを始めるきっかけになれば。YouTubeを始めた理由にはそんな思いも1つにあります。私自身、今感じているのが、新たな出会いの素晴らしさです。年を重ねると、人間関係は仕事場と家庭に限られがちになると思います。車の世界は、いろいろな価値観の人たちと知り合うことができます。ちょっと勇気は必要ですが、入ってみると、すごくいいものですよ」。優しい笑顔で語りかけた。
