大倉忠義、成田凌との“愛のシーン”で行定監督をうならせた「的確にやり遂げる役者」
恋愛映画の旗手、行定勲監督は50歳を超えて、キャリアハイと言える2020年を迎えた。7月には全国20館のミニシアター公開とAmazon Prime Videoでの配信となった山崎賢人、松岡茉優共演の「劇場」では演劇を志す青年と女優の卵のどうしようもない恋を描き、続く新作「窮鼠はチーズの夢を見る」(9月11日公開)では関ジャニ∞・大倉忠義、成田凌主演で男同士の愛の形を描いた。行定監督が見た俳優・大倉のポテンシャルとは。
行定勲監督が明かす撮影秘話、9月11日公開の映画「窮鼠はチーズの夢を見る」
恋愛映画の旗手、行定勲監督は50歳を超えて、キャリアハイと言える2020年を迎えた。7月には全国20館のミニシアター公開とAmazon Prime Videoでの配信となった山崎賢人、松岡茉優共演の「劇場」では演劇を志す青年と女優の卵のどうしようもない恋を描き、続く新作「窮鼠はチーズの夢を見る」(9月11日公開)では関ジャニ∞・大倉忠義、成田凌主演で男同士の愛の形を描いた。行定監督が見た俳優・大倉のポテンシャルとは。
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原作は映像化された「失恋ショコラティエ」「脳内ポイズンベリー」で知られる水城せとな氏の同名コミック。主人公は学生時代から受け身の恋愛を繰り返してきた会社員・恭一(大倉)。既婚者でありながら、仕事関係の女性を相手に不倫を楽しんでいる。ある日、素行調査をしているという大学の後輩、今ヶ瀬(成田)と7年ぶりに再会。不倫ネタの隠ぺいと引き換えにキスを許す。やがて、妻との離婚が成立すると、今ヶ瀬から「ずっと好きだった」と思いを告げられ、同せい生活が始まっていくが……。
恭一は劇中、“流され侍”とも言われる男。物事に流される、優柔不断なダメ男は行定監督の十八番のキャラクターだ。「恭一は人を受け入れたら、なかなか手放したり、切ったりできない男。中途半端に優しいから、結局、誰に対しても優しくない。でも、悪気はなくて、そこがかわいらしくもある。理解できないところが何もない、そんな男だった。『窮鼠―』は単なる男同士のドラマではなく、後半、2人の関係を阻もうとする女たち(吉田志織、さとうほなみ、小原徳子)が現れて、2人の愛の強度を試していくのが面白かった」と行定監督。
映画化の企画が進み、キャスティングに悩んでいた頃、映画「カツベン」で成田と共演した永瀬正敏から「彼は映画の人です」との推薦の弁をもらったこともあって、先に成田の出演が決定。さらに、「恭一は大倉をイメージしていた」との脚本家、堀泉杏氏の意見に同意した。「彼は俳優としての作品が多くはないけども、芝居がいい。恭一は女も男も愛せる存在で、そういう人にはある種のミステリアスな部分が必要。大倉はそういう部分を持っている」と話す。