【オヤジの仕事】「浮浪雲」「銭ゲバ」の故・ジョージ秋山の息子が初めて語る父の酒、女性、仕事、家族

衝撃的なラストに“ジョージ秋山”らしさを感じる「ザ・ムーン」【提供:秋山命】
衝撃的なラストに“ジョージ秋山”らしさを感じる「ザ・ムーン」【提供:秋山命】

仕事については「24時間考えてろ」と100%本気モードだった

 仕事については、「本気でやるんだったら夢に出てくるぐらい、24時間考えてろ」と。父もそうやって仕事に全力を注いでいたのでしょう。最後まで、「あんちゃんには負けない」「オレが男を見せてやる」ぐらいの意地を持っていたと思います。父の聖域である仕事場に僕が行くのを嫌がっていたので、僕は50年も父の息子をやってきたのに、父の仕事場へ行ったのはたった2、3回なんです。

 僕にとってジョージ秋山は、大好きな父親だけど男の先輩として、まさしく憧れの人。“天才”“鬼才”と言われますけど、父は器用ではなかったし、父の生涯、作品から思うのは、父は努力と執念の天才だった、ということ。苦労して育ち、大変な状況で単身東京へ出てきて、どん底からはいあがった強い人。オヤジにはまだまだかないません。

□ジョージ秋山(じょーじ・あきやま)1943年4月27日東京生まれ。栃木県足利市育ち。本名:秋山勇二。66年、「ガイコツくん」(講談社)で正式デビュー。翌67年から連載の「パットマンX」で講談社児童まんが賞受賞。70年に「銭ゲバ」(小学館)、「アシュラ」(講談社)の連載を開始すると、過激なテーマが問題視された。73年に連載を始めた「浮浪雲」(小学館)は高い人気を得て、78年、小学館漫画賞青年一般部門受賞。本作の連載は2017年まで続いた。ドラマ化、映画化された作品も多く熱心なファンに支持されたが、20年5月12日死去。

□秋山命(あきやま・いのち)1970年5月20日、東京・新宿生まれ。帝京高校卒業後、スコットランドや米国へ留学。95年帰国。大リーグなど海外に挑戦する野球選手のマネジャーを務めた後、フリーの放送作家へ。現在はTBS系の朝の情報番組「はやドキ!」「あさチャン!」のスポーツコーナーやBS-TBSの障害者スポーツ番組の放送作家を務める。父・ジョージ秋山さんの作品「銭ゲバ」「アシュラ」「捨てがたき人々」の映像化の企画・制作・脚本に携わったほか、2018年公開の映画「生きる街」の企画プロデュース・原案・脚本も手がけた。

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