【オヤジの仕事】「浮浪雲」「銭ゲバ」の故・ジョージ秋山の息子が初めて語る父の酒、女性、仕事、家族
6月1日に訃報が報じられた漫画家・ジョージ秋山さん(享年77)。「銭ゲバ」「アシュラ」「浮浪雲」など多くのヒット作を遺し、人間が心の奥に秘めた悪や残虐性、性への欲望をえぐる独特な作風に衝撃を受けた人も多かった。そんなジョージさんの“父親としての顔”はどうだったのか。放送作家として活躍する長男・命さん(50)に、ジョージさんとの思い出、父の作品への思いを聞いた。後編はジョージさんの遺した作品や父の教えについて。
問題作「アシュラ」や「銭ゲバ」を描いた原動力は…
6月1日に訃報が報じられた漫画家・ジョージ秋山さん(享年77)。「銭ゲバ」「アシュラ」「浮浪雲」など多くのヒット作を遺し、人間が心の奥に秘めた悪や残虐性、性への欲望をえぐる独特な作風に衝撃を受けた人も多かった。そんなジョージさんの“父親としての顔”はどうだったのか。放送作家として活躍する長男・命さん(50)に、ジョージさんとの思い出、父の作品への思いを聞いた。後編はジョージさんの遺した作品や父の教えについて。
その後、父の作品はほぼ全部読みました。僕は父の代表作「銭ゲバ」「アシュラ」の連載がスタートした1970年の生まれなのですが、「銭ゲバ」のドラマ化(2009年)や「アシュラ」のアニメ映画化(12年)に、制作・企画協力として関わりました。
両作とも主人公は生きるために手段を選びませんが、僕は彼らの“愛”を強めに描いたんです。父はできあがったドラマやアニメを見て、「ちょっと違うな」と思ったようでした。発表当時に問題作とされた「アシュラ」や「銭ゲバ」は、父は世の中に対する怒りや生きる執念で描き、“愛”と“怒り”では怒りのほうがかなり大きかったのでしょうね。
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「浮浪雲」には家族へのメッセージが込められていた