当時は「二束三文の値段」 “日本にたった1台のケンメリ”に衝撃…73歳男性「毎日、仕事で乗ってます」
超が付くほどのレアな旧車が、今日も元気に走っている。左ハンドル仕様の日産スカイラインだ。自動車整備の仕事をしている73歳の男性オーナーは、約48年前に人生の愛車とめぐり会った。数年前からカーイベントに参加する楽しさにも目覚め、愛車生活はどんどん輝きを見せている。

YouTubeでもうわさの1台
超が付くほどのレアな旧車が、今日も元気に走っている。左ハンドル仕様の日産スカイラインだ。自動車整備の仕事をしている73歳の男性オーナーは、約48年前に人生の愛車とめぐり会った。数年前からカーイベントに参加する楽しさにも目覚め、愛車生活はどんどん輝きを見せている。
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1974年式の“ケンメリ”スカイライン(PLC110型)。世にも珍しい左ハンドル仕様だ。もともと沖縄で登録されていた1台で、前の所有者はワンオーナーだったという。男性が調べたところ、車検を通ってナンバーを取得して走っている左ハンドルのケンメリは、「国内にこの1台しか登録されていないのではないかと考えています」とのことだ。
元来のクルマ好きで、これまでのコレクションは相当なもの。当時ハコスカGT-Xにも乗っていたが、「同業者から『変わったモデルのスカイラインがあるよ』と聞いて、それでひと目見て衝動的に買ったんですよ」と振り返る。「買った当初は高速道路の料金所でちょっと困ったぐらい。自分で後からパワーウインドウを付けました。何の問題もなく、すごく乗りやすいですよ」。
ハコスカの他にも、フェアレディZやメルセデス・ベンツ190Eなどを所有していたが、手放したという。バイクも収集しており、現在はハーレー・ダビッドソンの珠玉の1台を大事にキープしている。
331セドリックも所有しており、「セドリックは雨の日に乗ったことがない。必ずビニールカバーとシートをかぶせる。そうやって大事に取り扱ってきました。雨が降ってきたらセドリックをUターンさせて、スカイラインに乗り換える。そんなことをやっていたんだけど、今は雨の日はスカイラインに乗らないですよ」。長く乗ることのできる秘訣(ひけつ)の1つを教えてくれた。
一時期は車庫に保管していた時期もあったが、50年近く持ち続け、今はこのスカイラインがなくてはならない「相棒」だ。「毎日、仕事で乗っていますよ。お客さんでも、後から気付く人もいるんですよ。『そんなに珍しいクルマだったんだ』と驚いてね」。
新たな人生の楽しみも見つかった。それまではカーイベントや行事には参加してこなかったが、1度出てみると、ハマった。「もういろいろな人に見てもらうのが楽しくてね。こうやって取材を受けるのもうれしいですよ。YouTubeにもこのスカイラインが映っているみたいで、連絡もらえて」。満面の笑みを見せる。今年4月上旬に東京・品川駅前で行われたクラシックカーイベントにもエントリー。多くの人が足を止め、外国人観光客らカーマニアの注目の的になっていた。
中古で手に入れた当時は「二束三文の値段でした」。スカイライン車種は中古市場の高騰化が激しく、世界からも注目されているが、絶対に手放すつもりはない。「自分のお宝をずっと大事にする。そんな感覚です。このスカイラインが走れる限り、自分が乗ることができる限り、乗っていきたいです。もうスカイラインがライフワークですよ。それぐらい大切なものです」。少年のように目を輝かせた。
