【オヤジの仕事】「銭ゲバ」「浮浪雲」を遺したジョージ秋山の息子が初告白 父が背中で教えた男の生き方
6月1日に訃報が報じられた漫画家ジョージ秋山さん(享年77)。「銭ゲバ」「アシュラ」「浮浪雲」など多くのヒット作を遺し、人間が心の奥に秘めた悪や残虐性、性への欲望をえぐる独特な作風に衝撃を受けた人も多かった。そんなジョージさんの“父親としての顔”はどうだったのか。放送作家として活躍する長男・命さん(50)に、ジョージさんとの思い出、父の作品への思いを聞いた。前編は父親としてのジョージさんについて――。
ジョージ秋山の死は突然のことだった
6月1日に訃報が報じられた漫画家ジョージ秋山さん(享年77)。「銭ゲバ」「アシュラ」「浮浪雲」など多くのヒット作を遺し、人間が心の奥に秘めた悪や残虐性、性への欲望をえぐる独特な作風に衝撃を受けた人も多かった。そんなジョージさんの“父親としての顔”はどうだったのか。放送作家として活躍する長男・命さん(50)に、ジョージさんとの思い出、父の作品への思いを聞いた。前編は父親としてのジョージさんについて――。
父が亡くなったのは5月12日。本当に急なことでした。2年前に約46年連載した「浮浪雲」を終えたのは、体調が原因だったわけではありません。その1、2年前から「新作を描きたいのでやめようと思ってる」と言っていたんです。だから、父は新作の構想を練って、亡くなる直前まで自宅近くの仕事場に通っていました。
父が亡くなった日も、葬儀の日も、僕は周囲には明かさず、いつも通り仕事をしました。父から“男とはそういうものだ”とオヤジの背中から感じとっていたからです。父は母(ジョージさんの妻)が25年前に52歳で亡くなった日も、いつもと同じように仕事場へ行きました。そうやって、僕に“男はそういうものだ”と教えてくれた。父は仕事場へ行って、1人で泣いていたのかもしれませんが。
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いきなりのテーブル返し!! でも根底には愛があった