初めて買った愛車、1人親で支えてくれる母への恩返し…19歳男子学生、社会人になって「いつか」
人生で初めて買った愛車には、母への恩返しの思いと、未来への夢が詰まっている。スバル・サンバー ディアスの持ち主は、カーデザイナーを目指す男子大学生だ。東京で生まれ育ち、今は山形で大学進学を選択して1人暮らし。車中泊旅行などで全国を駆け回って青春を謳歌(おうか)している。ものづくりに夢中の19歳は「カーデザイナーになって、いつか海外挑戦したい」と、目を輝かせている。

「スバルのデザイナーになるのが自分の夢です」
人生で初めて買った愛車には、母への恩返しの思いと、未来への夢が詰まっている。スバル・サンバー ディアスの持ち主は、カーデザイナーを目指す男子大学生だ。東京で生まれ育ち、今は山形で大学進学を選択して1人暮らし。車中泊旅行などで全国を駆け回って青春を謳歌(おうか)している。ものづくりに夢中の19歳は「カーデザイナーになって、いつか海外挑戦したい」と、目を輝かせている。(取材・文=吉原知也)
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若きスバリストだ。「小さい頃はラジコンのインプレッサが好きで、小学校6年の時に、全日本ラリーのレース映像でWRX STI VABを見て、感激しました。それがきっかけです。高校の時に進路を考えた中で、理系に進む選択肢もあったのですが、自分は絵や工作が好きで、デザインやりたいなって。目指す道を決めました」。山形市にある東北芸術工科大に入学した。東京を離れたのは、「自然も好きで、4年間を充実させたいなと考えたんです。デザイン工学部プロダクトデザイン学科で学んでいます。直球勝負です!」。普段は1日中、大学にこもって、勉学とものづくりに勤しむ。クルマ好きの教授たちと愛車の会話に花を咲かせる。将来の目標に一直線だ。
初マイカーは、昨年の夏に手に入れた。バン型のこのクルマを選んだのは、「スバルが最後に作ったモデルで、荷物が積めて車中泊もできます。四駆でマニュアルというのも大きいです。雪道も余裕なんですよ」。こだわりポイントもたっぷりで、「フォグランプは後から付けました。カリフォルニアミラーも気に入っています。ナンバーは『61』なのですが、スバルのレース車のゼッケンを意識しています」と笑顔を見せる。
いつでもどこでも出かける相棒で、「半年ぐらい電車に乗ってない、それぐらいクルマばかり乗っています(笑)」。文字通りのクルマ生活をエンジョイしている。富士山の周りで車中泊をしたり、デザイナーインターンで静岡に行ったり、スバルの“聖地”群馬にも。「スバルの本工場にインターンに行かせていただきました。レジェンドのデザイナーの方々から指導をいただき、最高の時間を過ごさせていただきました」と声を弾ませる。
趣味もクルマと美術が一体化している。「ペンを使ったスケッチでクルマを描くことが好きで、実車のスケッチを続けています」。数多くの車種モデルをつぶさに見学して、精緻に描写。予備校に通うことができなかったこともあり、独学でデザインの勉強を重ねてきた。大学で専門的な知識と技術指導を受け、成長を続けている。
この春で2年生になる。山形生活も2年目。充実感はどんどん増している。それもこれも、愛情を持って支えてくれている母のおかげだ。「うちは1人親家庭なのですが、母の協力があってクルマを買うことができました。マイカーを手に入れた時、母は『おめでとう』とお祝いをしてくれました。母には感謝しかないです。社会人になって働いたお金で、いつか車体代を返すことを考えています。今は、ガソリン代や整備代などのランニングコストはバイトを頑張って自分で工面しています」。お母さん思いで誠実な人柄がにじむ。
愛車サンバーは「社会人になっても、このクルマがつぶれるまで乗りたいですね」。そんな若き才能は「スバルのデザイナーになるのが自分の夢です。それに、いつかデザイナーとして海外挑戦してみたいです。自分のデザインしたクルマで家族旅行をしたい。そんな夢も持っています」と前を見据えた。
