「アルタがなければ生まれてない」 携帯なき時代の待ち合わせの“聖地”、新宿アルタ閉店に惜別の声

新宿アルタが28日に閉館、約45年の歴史に幕を下ろした。当日、アルタ前では多くの人が足を止め、大型ビジョンの写真を撮りつつ別れを惜しんだ。

「閉館」の文字が映し出された新宿アルタの大型ビジョン【写真:ENCOUNT編集部】
「閉館」の文字が映し出された新宿アルタの大型ビジョン【写真:ENCOUNT編集部】

約45年の歴史に幕

 新宿アルタが28日に閉館、約45年の歴史に幕を下ろした。当日、アルタ前では多くの人が足を止め、大型ビジョンの写真を撮りつつ別れを惜しんだ。

 この日、アルタの大型ビジョンには「閉館」の文字が。同ビル内のスタジオで収録された長寿番組『笑っていいとも!』司会のタモリや、明石家さんま、爆笑問題など、閉館を惜しむ多くの芸能人のメッセージが繰り返し放送された。

「アイ(ハート)アルタ」のプラカードを掲げた58歳の男性は、この日三重から駆けつけたと言い、「40年以上前から通っていますが、当時はこんなに大きなビジョンがなく、万博のパビリオン並のインパクトがありました」と当時を振り返る。

「アルタから出てきたタモリさんが、僕にとって生まれて初めて生で見た芸能人。学生時代は長期休暇を使って、三重から何度も『いいとも』のオープニング映像に映りに来ていました。全国で放送されるので、ここに来るだけで地元でちょっとしたスターになれたんです」

 熊本から来たという50代の女性は、「たまたま旅行中で、せっかくの機会だからと見に来ました。(思い出は)やっぱり『いいとも』ですよね。毎回ハガキを出して、何度も熊本から観覧に訪れました。今日は誰がゲストかな~とか、思い出しますね」と懐かしんだ。

 カメラを構えていた50代の夫婦は、アルタ前で男性が声をかけたことから交際がスタートしたといい、「娘はアルタがなければ生まれてない。あの頃は携帯も伝言板もない時代で、待ち合わせはいつもアルタ前でした。新宿という街のシンボルで、僕らの青春が詰まった場所。寂しいけれど、お疲れ様と言いたいですね」と話した。

 惜しむ声が絶えない新宿アルタの閉店。また、1つの時代が終わりを迎えた。

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