チャン・ツィイー審査委員長「コンペ部門に知り合いがいないので公正にジャッジできる」

中国を代表する世界的な女優チャン・ツィイー(40)ら第32回東京国際映画祭のコンペティション部門の国際審査委員が29日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木で会見した。

会見したチャン・ツィイー
会見したチャン・ツィイー

第32回東京国際映画祭コンペティション部門の国際審査委員が会見

 中国を代表する世界的な女優チャン・ツィイー(40)ら第32回東京国際映画祭のコンペティション部門の国際審査委員が29日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木で会見した。

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 28日のオープニングセレモニーでは、第2子を妊娠中であることを明らかにしたチャン。この日はカラフルでゆったりとしたシャツにパンツ姿で登場。時折、お腹を気にする仕草もみせた。映画祭では審査委員長を務めるが、「98年には、私のデビュー作であるチャン・イーモウ監督の『初恋のきた道』、『グリーン・デスティニー』、今年公開された『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で日本の皆さんとお会いしてきましたが、審査委員長として、日本に戻って来られ、光栄です。コンペ部門には多種多様な14作品が選ばれています。多様性は大事です。私は制作者の誰とも面識がないので、立場などは排除し、公正にジャッジできる」と意気込んだ。

 東京国際映画祭の印象については「たくさんの中国の役者が素晴らしい賞をもらってきた。印象深かったのは、チャン・イーモウ監督が(1987年『古井戸』で)主演男優賞を受賞したこと。オープンで素晴らしい国際舞台です」と語った。

カラフルでゆったりとしたシャツを着たチャン・ツィイー(中央)
カラフルでゆったりとしたシャツを着たチャン・ツィイー(中央)

 また、寺島しのぶ、大森南朋主演の「ヴァイブレータ」などで知られる廣木隆一監督は「いつも審査される側なので、審査するのは緊張するもんだなと思った。東京国際映画祭で作品賞をもらったことがない。知り合いの映画も2本入っているが、公正に審査したい。東京国際映画祭はいろんな映画祭と比べられたりするが、こんなにいろんな映画が観られる映画祭はない。もっと関心を持って、参加してほしい。制作費はいろいろだと思うが、関係なく、面白い作品を見つけたい」と話していた。

 会見では「東京国際映画祭の発信力がほかの映画祭に比べ劣っているのでは」という質問も。廣木監督は「東京はビッグシティなので、いろんな催しがある。僕としては、国が文化に対して、口を出さないで、金を出してくれればいい」といい、昨今、国や自治体がアートや映画など芸術に介入する動きにもチクリ。これには仏女優でプロデューサーのジュリー・ガイエ氏が拍手を送っていた。

 チャンも「素晴らしい映画祭というのは素晴らしい映画が上映されていることです。今年のカンヌ国際映画祭では韓国の『パラサイト』が受賞し、去年は、是枝裕和監督の『万引き家族』が受賞し、世界中で議論になった。東京国際映画祭でも、素晴らしい映画について、プロの皆さんだけでなく、観客の皆さんが話すことになるでしょう。あまり心配しない方がいい。皆さんの力で素晴らしい映画を発見できると思います」と力を込めた。

 コンペティション部門は映画「百円の恋」の脚本家、足立紳氏が自身初の自伝的小説を原作にして脚本・監督を手掛け、濱田岳&水川あさみが共演した「喜劇 愛妻物語」、手塚眞監督が、父・手塚治虫さんの問題作を映画化したサスペンス・エロス「ばるぼら」など14作品で競われ、ほかの審査員には「アリー/スター誕生」「グラン・トリノ」のプロデューサー、ビル・ガーバー氏、第31回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した「氷の季節」のデンマーク出身の映画監督マイケル・ノアー氏がいる。

 東京国際映画祭は11月5日まで行われる。

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