父親譲りのクルマ好き、西武・野村大樹が満喫する愛車生活 ゴツい“相棒”で7時間運転も「すごく楽」

「生まれた時から車好きです」――。父からしっかり“カーマニア”の血筋を受け継いだ埼玉西武ライオンズの野村大樹内野手は、弾ける笑顔でそう明かす。プロ野球という夢の舞台で日々奮闘する中、隣には常に最高の走りを見せる“相棒”がいた。現在の愛車は「レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィー」。時に癒やされ、活力を与えてくれる愛車への思いやこだわり、今後の目標を聞いた。

愛車と共に取材先を訪れた西武・野村大樹【写真:舛元清香】
愛車と共に取材先を訪れた西武・野村大樹【写真:舛元清香】

現在の愛車は「レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィー」

「生まれた時から車好きです」――。父からしっかり“カーマニア”の血筋を受け継いだ埼玉西武ライオンズの野村大樹内野手は、弾ける笑顔でそう明かす。プロ野球という夢の舞台で日々奮闘する中、隣には常に最高の走りを見せる“相棒”がいた。現在の愛車は「レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィー」。時に癒やされ、活力を与えてくれる愛車への思いやこだわり、今後の目標を聞いた。(取材・文=猪俣創平)

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 冬晴れとなったキャンプイン数日前、取材先に黒光りしたボディーの愛車でさっそうと登場。「よろしくお願いします!」と屈託のない笑顔であいさつした24歳は「確か3リッターで400馬力だったと思います」と早速、愛車のスペックを紹介してくれた。

 兵庫県出身。中学生時代に全国大会に出場し、早稲田実業高で1年生から中軸を担って甲子園に出場するなど“野球エリート”として青春時代を過ごした。一方で、無類の車好きという父親からは車情報番組を一緒に見て教わるなど“英才教育”を受けたという。

「車バカって言うんですかね(笑)。父親は車が大好きすぎて、本当にすごいんです。家の車庫にもこだわっていて、玄関から車が見えるようにガラス張りになっています。とにかくこだわりがすごくて、僕が小学生の頃からいまだに(ポルシェ)911に乗っています。昔から『カーグラ(フィックTV)』(BS朝日)を毎回録っていて、『この車かっこいいね!』と一緒に見ていました」

 野村自身、テールランプを見ただけで「全車種ほぼ言えます。特に外車は言えます」と胸を張る。父の影響もあって、もはやエキスパートの域に入っているといえそうだ。

 野球人生も次のステップへ。2018年に福岡ソフトバンクホークスからドラフト3巡目で指名され、念願のプロ野球選手になった。右の強打者として精進する中、4年目の21年に初めての愛車を手にする。父親も憧れていたBMWの「M6」に乗った。だが昨年、第1子が誕生したことでより実用的な車を求めることに。「クーペタイプに乗っていたんですが、チャイルドシートを載せた時に視界が悪くなってしまって。僕も運転席での姿勢がおかしくなってしまうので、大きい車を買おうということになりました」。

 新車を決めるまではオフの時間の多くを費やし、「SUVで気になる車は全部試乗しました」と父親譲りのこだわりぶりを発揮した。

「(マセラティ)レヴァンテ、(ポルシェ)マカン、タイカン、(メルセデス・ベンツ)GLE、GLS、GLEクーペ、Cクーペも試乗しました。あとBMWのX5、アウディのQ8、アルファロメオのステルヴィオ、ジャガーのFペースとEペースもどっちも乗って、あと(レンジローバー)ディフェンダーの110も試乗しました」

 名だたる高級外車を指折り数えながら当時を回想。「1回乗らないと分からないじゃないですか。しらみ潰しに全部行きました」と、野球の練習のように納得がいくまで理想の相棒を探し求めた。

ツートンカラーの内装は妻からも好評だ【写真:舛元清香】
ツートンカラーの内装は妻からも好評だ【写真:舛元清香】

購入の決め手は“足回り”と“フワフワ感”

 そして、レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーと出合った。「父親の影響で車高の低い車しか乗ったことがなくて、車高が高めのSUVは足元がフワフワする感覚が苦手だったんですけど、レンジローバーが唯一フワフワした感覚がありませんでした。足回りがしっかりしているので、それで決めました」と購入理由を説明した。

 スタイリッシュなデザインながら威圧感すらある大きなSUV。黒光りするボディーがまぶしい1台は、チャイルドシートを載せた車内にこだわりがあり、「タン(淡い茶色)と黒のツートンカラーになっている内装がポイントです。乗っているだけで楽しい感じになります」とうれしそうに話し、妻からも好評だという。

 愛車の乗り心地には「めちゃくちゃいいですね」と笑顔が弾け、「今年も実家に車で帰って、7時間ぐらいかかったんですけど、すごく楽でした。パワーもありますし、坂道でも割とスイスイいけます」と満足そうに語った。

 購入後の昨年7月、トレードでソフトバンクから西武へと移籍した。野村にとって、ドライブ時間はプレーに集中するための大切な時間でもある。移籍後、当初は埼玉県所沢市の本拠地・ベルーナドーム近くの寮に入っていたため、「車に乗っている時間がなくて、ちょっと気持ち悪かったですね」と振り返り、「だからオフの日は絶対に車を走らせてどこかに行っていました。試合で打てても打てなくても、車で走って気持ちを切り替える時間がほしかった」と必要なルーティンになっていた。

 今では愛車生活を満喫しており、「(都内で)銀座や青山をドライブするのが、めっちゃ、楽しいです。超好きです」と打ち明けながら「『うわあ~フェラーリだ!』とか『(ロールス・ロイス)カリナン通った~!』とか言って、いつも助手席の奥さんに『バカじゃないの』とか言われています。もう本当に楽しいです(笑)」とおちゃめに明かし、少年のように瞳を輝かせた。

 プロ野球選手としての“出勤”も充実した時間に。駐車場では各選手の愛車を間近で見ることができ、目の癒やしにもなるのだろう。「駐車場に行くのが楽しいですね。(ホークスの)柳田(悠岐)さんとか、いい車に乗っている人が多いですし。父親にも『すごく楽しいよ』って伝えました」と声を弾ませた。

 昨年は57試合に出場し、キャリアハイとなる5本塁打を記録した。今季に向けては「いい車に乗れるように年俸を上げたいと思います」とストレートな言葉に熱い思いが伝わってきた。

 言葉をポンポンと繰り出し、終始穏やかな雰囲気に人柄を感じさせる。最後に、野村にとっての憧れの1台を聞くとアウディ・R8を挙げた。「小学校3年生ぐらいのとき、塾の帰りに母親の車に乗っていたら偶然見掛けて『めっちゃ、かっこいい!』と感動しました。家に帰って父親に『かっこいいアウディがあった』と報告したら、次の休みの時にお店に連れ行ってくれたんです。R8を見て『将来、絶対にこれに乗る』と思いました。(今後)車を3台ぐらい持てるようになったら、R8でも走りたいですね」

 少年の頃、心に抱いた思いを実現させるためにも、今季のさらなる飛躍を誓っていた。

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