芳根京子「引き継いでいかないといけない出来事」広島原爆投下で命を落とした19歳女性を熱演

ピアノが大好きだった19歳の女性を演じる【写真:(C)NHK】
ピアノが大好きだった19歳の女性を演じる【写真:(C)NHK】

芳根京子インタビュー

――これまで「べっぴんさん」など、戦中戦後を生きた女性を演じられてきましたが、戦後75年たった今、当時を生きた女性を演じることの意義や、難しさについて、どう感じていらっしゃいますか?

「私は東京出身なので原爆については身近に被害にあわれた方がいなかったのですが、この作品に参加して、知っていると知らないとではすごく違うなと改めて感じました。実際に経験した方がいらっしゃる出来事を演じる怖さというものは感じますが、どんどん知らない人が増えていくなかで、こうして作品に残せること、そしてこういう作品に参加させてもらえることは、自分の人生においてもすごくありがたいことだと思います」

――明子さんを演じて感じたことや、明子さんに共感した部分を教えてください。

「今の時代は自由ですよね。いま新型コロナの影響で不自由になっていることを不愉快に感じるのは、今までがすごく自由だったから。当たり前の時間、当たり前の日々がどれだけ貴重なものかというのを、これまでも言葉にはしていたけれど、実感、体感したことがなかった。ピアノが弾きたい時に弾けないとか、トマトが食べたい時に食べられないとか、友達と遊びに行きたいのに行けないとか・・・すごく等身大の19才の願いが叶わない時代だったというのは、演じていて胸が苦しくなりました」

――視聴者へのメッセージをお願いします。

「東京出身でいま23才の私には、言葉にするのが難しくてすごくもどかしいんですけれど、被爆したピアノの存在や、被爆して19才で亡くなった明子さんという女性の存在を、とにかく知って欲しいと思います。やはりわたしと同世代の人たちも引き継いでいかないといけない出来事ですし、この作品に参加させていただいたからこそ感じ取れている部分はあると思うので、言葉で説明するよりも作品を見て頂けたら全部伝わるのではと思っています」

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