「うまくいかないのも当たり前」―“前髪切りすぎた”三戸なつめ、30歳の現在地
ロックバンドボーカルの役作りのため「ジュディマリ時代のYUKIちゃんの映像」で研究
――バンド音楽に親しまれてきたのですね。映画「ロックンロール・ストリップ」では、人気バンドのボーカルという役どころで出演されていますね。
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「わたしが演じる朋美は、自分のやりたい音楽ができずに、やらされている感が嫌で地元に戻ってきたんです。アーティストデビューできることってすごいこと。だけど朋美は自分の気持ちに嘘がつけなくって……。周りから見たら本当に恵まれている環境にいるんですよね。それでも、自分や、自分のしたい音楽が崩れそうになるのはやっぱり切ない。だから、わたしも自分の役作りに対して自分の“芯”をしっかり持とうというのはありました。ライブのシーンをやっていると楽しくなっちゃうけど、朋美はそうじゃない。葛藤みたいなのをしっかり出さなきゃと。ロックで破天荒な女の子なので、ジュディマリ(JUDY AND MARY)時代のYUKIちゃんの映像を見たりもしました」
――三戸さんご自身の中に、朋美のように「破天荒」「ロック」な一面はありますか。
「わたしは結構真面目で、だから朋美が『やりたくないんだよ!』ってお札を燃やして地元に戻ってくる……みたいなのはちょっと憧れたかも。わたしはそんなことできない!周りのおかげで今のわたしのポジションがあると思うので、朋美の破天荒な部分は気持ちはわかるけど、理解はできない瞬間もちょっとありました」
――完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
「登場人物全員がうまくいっていない人生を送っていて、だけど自分のしたいことややりたいこと、夢に向かって頑張っている。頑張っているけどうまくいかない。きれいなところだけではなくってジレンマとか、将来への不安がリアルに見える作品なので、同じように悩んでいる人たちに寄り添えるんじゃないかなと思います。それだけじゃなくて、芸人さんがいっぱい出ているというのもあって、面白くて笑っちゃう部分もあったり。なかなか元気が出ない今だからこそぜひ見て、笑ってほしいです!」
――主演のジャルジャル・後藤淳平さんの妹という役どころですが、現場での後藤さんの様子を教えてください。
「ほんと、テレビのまんま(笑)。めっちゃ踊ってましたし、ちゃんと踊れてました。すっごい練習したんだろうなと思って、ウルっとします。『踊れるんだ』『そんなステップ踏めるんだ』というところはめちゃめちゃ見どころですし、優しくて器が広い方だなと思いました」