【東京女子】トップアイドルがプロレス専念へ、3月末にSKE48卒業…荒井優希の決断「本当にやりたいこと」に気づいた
2024年末にプロレス界に衝撃が走ったニュース、それが荒井優希のプロレス専念宣言だ。SKE48というトップアイドルグループに所属する荒井は、2021年5月に東京女子プロレスでデビューし、アイドルとプロレスラーの二刀流で活動してきたが、今年3月末のSKE48卒業を機にプロレスに専念することに。トップアイドルはいかにして、プロレスに専念する決意を固めたのか。
アイドル活動がうまくいかないときにプロレスが救ってくれることもあった
2024年末にプロレス界に衝撃が走ったニュース、それが荒井優希のプロレス専念宣言だ。SKE48というトップアイドルグループに所属する荒井は、2021年5月に東京女子プロレスでデビューし、アイドルとプロレスラーの二刀流で活動してきたが、今年3月末のSKE48卒業を機にプロレスに専念することに。トップアイドルはいかにして、プロレスに専念する決意を固めたのか。(取材・文=橋場了吾)
2024年12月3日、東京女子プロレスのYouTube公式チャンネルに40秒ほどの動画がアップされた。SKE48卒業を発表したての荒井優希が、プロレスに専念する旨の告知だった。その中で荒井は「プロレスに出合って自分は変わった」と語っている。
「一番は視野が広がったことですね。SKE48に限らず、アイドル活動をしていると『この世界にはSKE48しかない』みたいに思ってしまうんですよ。毎日同じメンバーやスタッフに会って、その中で競い合うことになって。ひとつの出来事でみんな一喜一憂するような、小さな悩みが人生のすべてになってしまうんです。それくらい自分のすべてだったSKE48以外の景色を見させてもらったことで、世界はこれ(SKE48)が全部じゃないんだと本当に思いました。もちろんアイドル以外の友達はいますが、土日はスケジュールが埋まっているのでなかなか遊べず、メンバー同士で絡むようになって常に仕事の話をするので、よりSKE48しか見えない状態になっていたと思います」
坂崎ユカ、山下実優、伊藤麻希など海外で活躍する選手も増え、東京女子プロレスの海外での知名度も急上昇中だ。
「SKE48は日本のファンの方の割合が大きいので、東京女子は海外のファンの方が多いのは感じますね。海外の方から私に会いたいと言っていただくことも今までなかったので、その点でも視野が広がったと思います。そしてアイドル活動がうまくいかないときでも、プロレスが救ってくれることもあって。逆もしかりなんですけど、二刀流になったことで気持ちに余裕が生まれましたね」
「辞めたら普通の仕事をしたい」からの気持ちの変化
そして動画の中では、「もっともっと大きくなりたいです」とも荒井は語っている。
「ありがたいことに自分のことを応援してくれる方は、デビュー時と比較するとすごく増えていると感じるんですが、プロレス界の中ではまだまだだと思っていて。例えば、女子プロレスを知らない方が女子プロレスの話題をするときに、最初に荒井優希の名前が出てくる状況を作りたいんです」
SKE48を卒業することで、プロレスを辞めるのでは? という憶測も飛んでいたのは事実だ。実際、荒井自身もいわゆる一般職に就くことも考えたという。
「私はどうしても『芸能人になりたい、女優になりたい』という気持ちがあったわけではなく、たまたま受けたオーディションで合格できてSKE48に入ったので、辞めたら普通の仕事をしたいと周囲には話していましたし。そんなときにプロレスに出合って『これが本当にやりたいことかも』と初めて思ったんです。自然な流れでプロレスを始めて、プロレスにのめり込んで……でもプロレスというか、東京女子プロレスだったからここまで来られたと思いますね」
荒井の気持ちをそこまで動かした東京女子プロレスとは、彼女にとってどのようなものなのか。
「東京女子プロレスには、プリキュアのような女の子が憧れる世界があると思います。かわいい選手、キラキラしている選手、カッコいい選手……アニメに出てくるようなキャラクターの子たちがいっぱい現実にいて、しかもリングで全力で戦っている。私が初めて見たときは選手の名前も知らない状態だったんですけど、それでもストーリーが見えてくるというか物語に入り込ませてくれる団体だと思いました。歴史や過去を知らなくても、どこからでもすんなり入っていって楽しめる団体、それが東京女子プロレスだと思います」
(25日掲載の後編へ続く)