大阪城ホールで5000人集客のライブイベント 観客のマナーの良さが光り無事開催

大阪城ホールで8日に「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」が開催された。

「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」に登場したROTTENGRAFFTY【撮影:日吉“JP”純平、Yukihide“JON...” Takimoto】
「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」に登場したROTTENGRAFFTY【撮影:日吉“JP”純平、Yukihide“JON…” Takimoto】

観客を入れた大規模なコンサート「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」開催

 大阪城ホールで8日に「Osaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホール」が開催された。

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 全国の夏フェスが軒並み中止や延期を余儀なくされる中、観客を入れた大規模なコンサートを再開するために、関西のイベントプロモーター8社と、大阪のFMラジオ3局が手を組んで実現した夢のプロジェクト。最大の目的は、感染を避けるための対策を十分に行った上で、ライブの環境をつくっていくこと。あらゆるエンターテインメントの再開に向けた第一歩とするべく、行政からの指導に従いながら、入念な準備が進められてきた。

 会場に集まった音楽ファンは5000人。周囲の人との距離を保ち、声を上げることもできないという、普段とは違ったルールの数々を各自がどこまできちんと守れるのか。アリーナにも座席が並べられたが、間に一席ずつの空席を挟む形で、スタンド席も同様に間隔を取りながら、ステージの後方にも観客が入る全方位型になっていた。

 トップバッターとして出演予定だった「キュウソネコカミ」は、メンバーの体調不良により残念ながらキャンセル。だが、開演前には「キュウソネコカミ」の曲が「妄想鼠」と題したメドレー形式で場内に流れ、開演を待ちきれないファンが手拍子をしたり手を挙げたりして楽しむ光景も見られた。

 そして、13時55分に開演。最初に爆音を轟かせたのは、東京・八王子出身の4人組「ハルカミライ」。いつもならファンと一緒に大合唱するような曲も、この日ばかりは橋本が一人で歌い上げる。その歌唱力の高さに誰もが酔いしれた。「どうなるかと思ったけどさ、楽しくて安心したわ!」とポジティブなメッセージを精一杯の声で叫んでいた。

 転換時間は、場内の換気も兼ねているのでたっぷり30分。本来はリハーサルにあたるその時間も、待ちきれずに曲を連発して会場を盛り上げていたのが、「ヤバイTシャツ屋さん」。本編が始まるといきなりキラーチューンの「あつまれ!パーティーピーポー」で早くも会場は1つに。「大きい声は出せへんけど、心の中で叫んでくれ!」。ヤバTのライブなのに、この日ばかりは客席から合いの手のかけ声や笑い声が全く聞こえてこない。観客もテンションは上がっていたはずだが、ルールに従って抑えるべきところは抑えるという、1人1人の意識の高さが見られた。

 続いて3組目は「大阪でいっちゃんでかい声、出しにきたで! でっかいライブハウスやな!」という威勢のいいMCで盛り上げた、地元大阪の3ピースバンド「Hump Back」。秋に予定されている自身初の大阪城ホール単独公演を前に力の込もった演奏を聴かせてくれた。「卒業式がなくなったり、部活の試合がなくなったり。いつまでこんな日々が続くのかもわからへんけど、『自分の青春がなくなってしまった』なんて、絶対に思わんといてな。おまえの青春、ここにありまーす!」。そんな熱い言葉とともに届けられた「拝啓、少年よ」は会場全体の涙を誘った。

 次に登場したのは、京都のラウドロックバンド「ROTTENGRAFFTY」。定番の「金色グラフティー」で幕を開けたステージは、普段の荒れ狂うフロアとはだいぶ異なる光景ではあるものの、拳やジャンプで応戦するオーディエンスの高ぶりは後ろから見ていても身震いするほどだった。NOBUYAの「本当なら、こんな形でおまえらに会いたくなかった。でもこれが、未来への第一歩になると信じて、俺らについてこい!」という力強い言葉に、20年以上もライブハウスで実績を積み上げてきた叩き上げバンドのプライドが垣間見える。「焦るな。くさるな。怠るな。音楽ライブは、絶対に死なない!」とN∀OKIが叫ぶと、客席からは大きな拍手が沸き起こり、最新の1曲「ハレルヤ」でこのバンドらしく派手に締めくくった。

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