日産の往年の名車が一変、内外装を“かたくなに守る”だけじゃない…自由なカスタムの原点とは
数多くのレアでユニークな旧車が集合するカーイベントの中でも、ひときわ鮮やかな内外装を備えていたのがナガイヨシユキさんの日産セドリックGX(1971年型)だった。その“自由過ぎるカスタム”の原点とは。

2ドア好きがたどり着いた渾身(こんしん)の1台
数多くのレアでユニークな旧車が集合するカーイベントの中でも、ひときわ鮮やかな内外装を備えていたのがナガイヨシユキさんの日産セドリックGX(1971年型)だった。その“自由過ぎるカスタム”の原点とは。(取材・文=土田康弘)
愛車は日本にわずか5台の超希少アメ車…ハーレーも乗りこなす52歳俳優のクルマ&バイク愛(JAF Mate Onlineへ)
関東近郊でも歴史のあるイベントとなっている「クラシックカーフェスティバルinところざわ」(埼玉県・所沢市で開催)。その会場で見つけたセドリックが美しくセクシーだったので注目した。多くの旧車ファンがオリジナルコンディションを大切にして、外装色から内装生地までをかたくなに守っているのに対して、このクルマは自由な発想でカスタマイズを施し旧車を遊んでいたのが印象的だった。
オーナーのナガイさんは「免許を取った時から2ドアに乗り続けています、理由はかっこいいから」と言い切る潔いほどのクルマ好き。数々の2ドア車両に乗ってきたが現在の愛車はこちらのセドリック。手に入れた当初はオリジナルの状態だったが、徐々に自分流にカスタマイズしていった。代表的なのものが外装だ。マツダ純正色のソウルレッドでオールペイントしたボディーは美しく鮮烈、しかもボンネットからリアのトランクにまで施されるストライプの処理も個性的でかっこいい。
そのルーツを尋ねてみると、「69年型のカマロに同様のストライプを施したモデルがあったんです。そのイメージをセドリックに取り入れたのがこのペイント&ストライプです。ただしカマロはレッド/ホワイトのカラーコンビだったんですが、少しアレンジしてレッド/グレーにしてオリジナル感を出しています」

内装のカラーコーディネートもオリジナル
しかもオリジナルのカスタムは外装のみならず内装にも及ぶ。
「オリジナルのシートは茶系のカラーリングでした。これも良い色だったんですが、ダッシュにグリーンを使っているのを見て、シートをグリーン/ホワイトで張り替えることにしたんです」
カラーコンビネーションや内装とのコーディネートを見ていると、まるで当時のデザインそのままのように思えるのもオーナーのカスタムセンスの良さと言えるだろう。フロアカーペットも張り替え処理するなど内装の質感はレストアを超えるレベルとなった。

さらに外装でもうひとつのこだわりとなったのはテールランプ。セドリック(230系)の前期型には流れるウインカーが採用されていたのだが、それもチョイスしているのもオーナーのこだわり。片側3連の赤レンズを装備しているスタイリングは今でも斬新なスタイリングで、大のお気に入りポイントだ。
「旧車は不便だと思う人もいますが、このクルマは普段乗りでも静かで快適。オートマチックで運転もラクです」
旧車を特別扱いするのではなく、普段の足としても使い、同時に内外装を含めて自分の好きなスタイルにカスタマイズする自由なスタンスも素晴らしい。旧車との大人の付き合い方を感じる1台だった。
