野村義男、ジャニーさんを語る「最初は必ずギャグ。『YOU 誰だっけ?』って」
ドラムはマッチ君「できるかわかんない」も…3テイクでOK「もう1回やらせろよ」
――この曲も参加ミュージシャンがすごい。
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「ドラムが近藤真彦君。マッチ君は5年ぐらいのツアーにバンドメンバーとして呼んでくれて、空港の荷物を受け取るところまで歩いていく間に、『そうだ、マッチ君、今ソロアルバム作っているんだけど……』って言ったら『やる!』と。参加してくれるかを聞く前に『やる!』って言ったのだから、あの時の約束は忘れてねだろうなと思い、声かけた。スタジオにドラムセットを用意して、来ていただいた。『歌じゃないからね、ドラマーだよ、ミュージシャンとして、だよ。ドラム叩けるんだからいいじゃん』って。『でも、レコーディングは初めてだよ』『でも、できるでしょ』と。
マッチ君は『できるかどうか、わかんないけど』と言ってたけど、結局3テイクぐらいで録れちゃった。『OK、OK。ありがとう』って言ったら、面白くなってきちゃったらしくて、『もう1回やらせろよ』と言うんですよ。でも、いっぱいドラムの音があっても困るから、『いらねえよ。ここは貸しスタジオじゃないんだよ。レコーディングスタジオだよ』と言ったんですけども、もう1回叩いた。歌を歌う人なんで、フィールが歌のタイミングなんですよ。楽器全般に言えますが、歌える人と歌えない人は違う。歌わない人は正確に確実に、グルーブを大事にする。だけど、歌う人は、歌の気持ちで演奏するんです」
――「歌わせてくれ」とは言われなかった?
「それは全然。帰りにドラムセットを買って帰るって思ったもん。そのぐらい楽しかったみたいで、良かった」
――近藤さんの話も出たので、昨年7月に亡くなったジャニー喜多川さんの話も伺ってもいいですか?
「もちろん。ジャニーさんには感謝の気持ちしかないです。大好きだしね。僕が言うのもなんだけど、かわいい人なんですよ。いたずらっぽいし、少年の心を持っている人で、上からという感じは一切ない。僕が50代になって1度お会いしたけど、全然変わらなかった。最初は必ずギャグから始まるんですよ。『YOU 誰だっけ?』って。そっちから話しかけているのにね。『ホント、やめて』と言うと、普通になりますけども。そういうお茶目なところがいいんです。そういう気持ちで人に接したら、楽しいだろうなという見本を示してくれた。だって、ジャニーズ事務所を辞めて、最初に来た話がマッチのコンサートだった。やめて1年もしないうちに、ジャニーズ事務所も仕事しましたからね。そんなことって、普通はないでしょ」
(後編に続く)
□野村義男(のむら・よしお)1964年10月26日生まれ、東京都出身。75年、姉の影響でフォークギターを手にする。79年、芸能界デビュー。83年、「待たせてSorry」でソロレコードデビュー。同年、「The Good-Bye」結成。現在は浜崎あゆみBAND、世良公則GUILD9、宇都宮隆U_WAVEなどに参加。ギタリスト、プロデューサー、タレントとして幅広いジャンルで活躍。