野村義男、ムッシュとの思い出を明かす「酒を一杯引っ掛けて、奇跡の一発録り」
「渡辺英樹が参加してないソロアルバムは意味がないと思っていた」
――元C-C-Bのリーダー、ベーシスト、渡辺英樹さん(2015年死去)も亡くなってしまいました。「ねぎねぎフルフル」という謎なタイトルの楽曲ですが……。
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「英樹とはとにかく一緒だった。自分たちのバンドだろうが、いろんなレコーディング、CM、名前も出ないような細かいスタジオ作業、ライブも一緒。『英樹、ちょっと来てよ』『分かった、行くよ』という感じだった。僕の中ではまずスケジュールを取りにくい人から録音していこうと思ったので、英樹はいつでも録音できると、なめていましたね。でも、亡くなってしまった。
ただ、渡辺英樹が参加してないソロアルバムは意味がないと思っていた。僕のレーベルでCDを作ることもたくさんあったので、音源は持っていたので、英樹のベースを抜いて組み合わせれば、何とかなるかなと思ったんです。その作業をするためにスタジオに行く前日夜、英樹が降りてきて、ずっと頭の中で喋っているんですよ。でも、水の中みたいな感じで、モゴモゴ。言葉はよく分からない。だけど、『ねぎねぎフルフル』だけは分かった。
俗に言う霊体験と思うと、怖い話かもしれないですけど、僕はうれしかった。まず、『ねぎねぎフルフル』という言葉をネット検索したんですが、ヒットしなかった。じゃあ、タイトルを伝えに来たんだなと思って、タイトルが先に決まった。英樹のベースを4、5曲、数小節を抜いたら、意外と多い英樹っぽいベースかなと思った。そこで、『野村義男バンド』のメンバーだったロジャー高橋のドラムを組み合わせてみたら、ベースとドラムだけで成立しちゃった。そこに僕のギターを入れて、メロディーを乗せてみたら、この曲ができた」
――では、半分は渡辺さんがお作りになったみたいな感じですか?
「そうだよね。元の曲は僕が作っているけど、一緒に作り、作った感がすごくあった。何か足りないなと思って、インターFMのDJ、デイブ・フロムさんに連絡をした。曲に合わせて、声を入れてくれないか、と。デイブさんは、僕が英樹のことを書いたメモを渡したら、英語で読んでくれた。別々に録音はしているけど、セッションしている感じでしたね」
(中編に続く)
□野村義男(のむら・よしお)1964年10月26日生まれ、東京都出身。75年、姉の影響でフォークギターを手にする。79年、芸能界デビュー。83年、「待たせてSorry」でソロレコードデビュー。同年、「The Good-Bye」結成。現在は浜崎あゆみBAND、世良公則GUILD9、宇都宮隆U_WAVEなどに参加。ギタリスト、プロデューサー、タレントとして幅広いジャンルで活躍。