愛車3台持ち23歳女性、平日は仕事掛け持ちで土日を満喫 整備士だった亡き父の教えとは
整備士だった亡き父から教わったのは、「安全にクルマを楽しむこと」。かなえられなかった夢もあるが、クルマ好きに育った自分を「いつも見守ってくれている」――。今年7月に父を亡くした23歳の女性は、車2台とバイク1台の“3台持ち”で、愛車生活を満喫している。しかも、「自分でできるものは自分でやる」。オイル交換などの整備は自ら行い、自分のセンスを大事に、オリジナリティーあふれるカスタムを重ねている。
「父は安全を第一に考える人でした」 整備のいろはを学んだ
整備士だった亡き父から教わったのは、「安全にクルマを楽しむこと」。かなえられなかった夢もあるが、クルマ好きに育った自分を「いつも見守ってくれている」――。今年7月に父を亡くした23歳の女性は、車2台とバイク1台の“3台持ち”で、愛車生活を満喫している。しかも、「自分でできるものは自分でやる」。オイル交換などの整備は自ら行い、自分のセンスを大事に、オリジナリティーあふれるカスタムを重ねている。(取材・文=吉原知也)
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“カー女子”が集まるイベント『ガールズカーコレクション(GCC)』に初めて参加したかえぴ~さん。個性に彩られたダイハツ・ミラジーノ(L650S)を披露。3年前に初めて買ったマイカーだ。ちょっぴり懐かしい特攻服のコスプレで、笑顔を弾かせた。
「最初は足車のつもりだったのですが、クルマ仲間がたくさんできて、いろいろ話を聞くうちに、カスタムというものを知ったんです」
カラーはもともと好きな水色。ワイパーやサイドミラー、ドアノブを白色に塗っておしゃれに統一感を出し、「インパネやメーターもカスタムしました。そうそう、最近天井をペイスリー柄のシートに貼り替えたんですよ」。スプレーのりを使って自ら手がけた。なるべく低コストを心がけ、金銭面でもできる範囲で、“自分らしさ”を出すことに工夫を凝らしている。
クルマが大好きなのは、整備士として長年活躍した父の影響が大きい。「父がクルマをいじる姿を見て育ってきました。社会人になるタイミングで自動車の購入を考えた時に、どうせ乗るなら気に入ったものを買いたいと思って。昔のクルマのデザインが好きで。それでこの子を見つけたんです」。
整備に対する真摯(しんし)な姿勢も父親譲りだ。タイヤ交換やオイル交換といった基本の整備は自分で行っている。「それに、父は安全を第一に考える人でした。『これがこうなるとこんな危険がある』『ここをこうすれば安全に動く』など、多くのことを教えてもらいました。父親として尊敬していますが、プロの整備士としての憧れも持っています」。車乗りとして、父の背中を追い続けている。
趣味にはアクセル全開だ。「22歳のうちに3台持ちになる」という目標を達成した。バイクはドラッグスター400クラシックを保有しているのだが、夢のスポーツカーも手に入れた。23歳の誕生日を翌月に控えた今年9月に、180SXを納車。「1994年式のものです。リトラクタブル・ヘッドライトのクルマが欲しいなと思っていたのと、日産車に憧れていたんです。180SXは父も好きなクルマだと思っています」と実感を込める。
ノリと遊び心と挑戦を大事に、安全第一にクルマいじりを楽しむ。これがモットーだ。クルマのカスタムや3台持ちの維持にはちょっとお金がかかるが、平日は仕事をこなしたあとに週5でバイト。文字通りに朝から晩まで働いている。「その分、土日は休みで、こうしてクルマを通して仲間と交流したり、全力で楽しんでいます!」。時間のやりくりや体力面でも少し大変だが、「それに勝る楽しさがあるんです」と目を輝かせる。
病気によって帰らぬ人となった最愛の父。49歳の若さだった。「父と一緒にクルマをいじるという夢はかなわなかったです」。それでも、父の思いをずっと受け継いでいくつもりだ。これからも感謝の思いを胸に、「父に、『ここまでできるようになったんだ』って言ってもらえるようになりたいです。だから今、頑張っているんです。父はきっと見守ってくれていると思います」と結んだ。