【オヤジの仕事】“正義のヒーロー”藤岡弘、が語る4人の子どもを教え導く“オヤジ道”とは

健康管理は相当厳しくしてきたと明かした藤岡弘、さん【写真:荒川祐史】
健康管理は相当厳しくしてきたと明かした藤岡弘、さん【写真:荒川祐史】

買い物にも行き、料理もする…得意料理は!?

 我が家の食事は和食が中心。誕生日やクリスマスなど特別な日にはイタリアンなどを外食しますが、ほとんど家で食べます。高価なものではなく、鶏を一羽丸ごと焼いて酢醤油で食べるような、栄養があって身体に良い、素材を大事にした料理を作って食べさせています。食事の大切さは私の母が教えてくれました。

 私は料理もしますし、買い物にも行くのですが、「今日はみんなにこれを食べさせてやろう」と、子どものことを思って作るのは楽しいですね。私が料理を始めると、子どもたちが嬉しそうに待っている。その笑顔や、みんなで一緒に美味しそうに食べるのを見るのが大好きでね。私にとって癒しになっています。

 おかずは1回の食事で10種類ぐらい作って、少しずつ食べさせます。よくアジやイワシ、サンマなどの青魚を、塩焼きや煮ものにします。野菜は実もの、葉もの、根もの。それに納豆、お豆腐、味噌、お新香。私は山芋が好きなので、すってお醤油とお酢と卵を入れたり、海苔を巻いて揚げたり。具沢山の味噌汁や野菜スープもよく作ります。子どもたちがキライなものを小さく切って入れるんです。そうすると、気づかずに食べていますよ(笑)。

デビュー55周年、芸能界で生き抜くために続けてきたこと

 2020年でデビュー55周年。私自身、健康管理は相当厳しくしてきました。武道の型や伊吹(呼吸法)を日課として、何十年もコツコツ続けてきました。地方に行っても空いた時間に必ずやります。ほかに柔軟運動、筋肉トレーニング、プール……。タバコは身体が受けつけない。こうしたことがたまたま節制につながって、長く現役を続けてこられたのかもしれません。

 コロナの外出自粛期間中は大好きな黒澤映画を観たり、本を読んだりしていました。昔は小説をよく読んでいましたが、今は国際情勢や政治の本、気になったベストセラーなんかを買っています。普段は移動の飛行機や新幹線で読むのですが、読めずに溜まっていた本も多く、それらをこの期間に読破しました。

「子どもたちにはお父さんの背中をよく見てほしい!」

 本を読み始めたのは、上京した頃、自分がいかにモノを知らないかを痛感し、学ばなくては生き抜いていけないと思ったから。お金がないので、電車の網棚の上に捨てられている本や新聞を拾い集めて読んでいましたね。

 今は、新聞は全紙とって読んでいます。線を引っぱったり切り抜いたりしながら。子どもたちには「これを読んでみなさい」と言って、切り抜きや本を渡しています。「お父さんが何をしているか、その背中をよく見て真似しなさい」って子どもたちによく言っているのですが、スマホをいじるのに忙しくしていますね(笑)。

□藤岡弘、(ふじおか・ひろし)1946年2月19日、愛媛県生まれ。1965年、松竹映画でデビューし青春路線で活躍。1971年、主演ドラマ「仮面ライダー」(NET)が大ヒットし、一躍、人気俳優に。映画「日本沈没」(東宝)、刑事ドラマ「特捜最前線」(テレビ朝日)など多くの作品で主演。1986年公開のハリウッド映画「SFソードキル」の主役に抜擢され、国際俳優として日本人初の「全米映画俳優組合」メンバーに。俳優業のほか、柔道、空手、刀道などあらゆる武道に精通し“斬(真剣による演武)”を行う武道家としても知られる。慈善活動にも熱心で、国内外の紛争地域、難民キャンプで救援・支援を行い、世界100か国近くを訪問した貴重な実体験をもとに講演活動も行う。2020年、芸能生活55周年を迎えた。

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