150万円で10年ローン…23歳学生が発見した掘り出し物のスカイライン 節約生活で「ノーマル維持」

旧車ブームは20代の若年層にも浸透している中で、1980~90年代に製造された「ネオクラシックカー」は、とりわけ若い愛好家たちの注目を集めている。自分が生まれるよりも前に製造された“古いクルマ”に魅了され、名車・日産スカイラインに乗る23歳学生の男性オーナー。ワンオーナーだったレア車を中古で購入し、走る喜びを受け継いでいる。「乗り味がいいんですよ」とさわやかな笑顔で語る。

日産スカイラインHR31は“昭和生まれ”だ【写真:ENCOUNT編集部】
日産スカイラインHR31は“昭和生まれ”だ【写真:ENCOUNT編集部】

「セドリックにするか悩んだのですが」 決め手はエンジン

 旧車ブームは20代の若年層にも浸透している中で、1980~90年代に製造された「ネオクラシックカー」は、とりわけ若い愛好家たちの注目を集めている。自分が生まれるよりも前に製造された“古いクルマ”に魅了され、名車・日産スカイラインに乗る23歳学生の男性オーナー。ワンオーナーだったレア車を中古で購入し、走る喜びを受け継いでいる。「乗り味がいいんですよ」とさわやかな笑顔で語る。

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 日産スカイラインHR31。1988年式(昭和63年)。そう昭和生まれの1台だ。

 初マイカーはロードスターだったが、故障もあって手放すことに。「前のバイト先の60歳手前の同僚の方が、当時新車だったR31の写真を見せてくれたことがあったんです。それで、ひと目でかっこいいなって」。2代目のマイカーは、スカイラインに決まった。

 中古市場をいろいろ探し回った。「本当は2ドアが欲しかったのですが、高くて手が届きませんでした。このハードトップの4ドアを見つけて、これだ! って」。約150万円で念願のスカイラインを手にすることができた。昨年4月のことだ。

 整備士を目指して学校に通っている。文字通りの“ザ・クルマ好き”だ。それだけに、「今のクルマにはない構造」にすっかりハマっている。

「今ではこういったクルマは作れないですよね。ピラーレスハードトップ、ハイマウントがないブレーキランプ……。電子制御がなく、ある意味余計なモノが付いてない。デザイン然り、乗り味も好きです。セドリックにするか悩んだのですが、やはりエンジンですね。直6(直列6気筒)が決め手になりました」とこだわりを明かす。

 普段使いで買い物にも乗っていく。そうすると、よく声をかけられる。「スーパーでオジサマ方に、『昔乗ってたよ~』と声をかけていただきます」。懐かしがってもらえるといい、往年の名車であることを実感できる。

 コツコツとバイトで貯めたお金で、思い切って購入。10年ローンを組んだ。バイト代は維持費にも回し、なるべく支出を抑える生活を送っている。「カメラの趣味を持っていますが、今はカメラを買うことは控えています。パソコンも新しいのが欲しいんですけどね」。それでも、ライフワークであるクルマには全開。自分で修理できるところは整備を行い、ガソリン代は「乗るだけ使おう」と、メリハリを付けている。

 前オーナーは約35年もの長い間乗り続けたが、購入時点で総走行距離は約10万キロだった。乗るのが楽しくて楽しくて、1年間で3万キロぐらい乗車している。前オーナーにも敬意を払い、「ノーマルで買ったので、ノーマルで維持したいですね」と目を輝かせる。自動車業界で生きていくことを志す若者の言葉はなんとも頼もしい。

 愛車スカイラインは「家族の一員」であり、クルマという存在は「言わば人生ですね」。足車の2台持ちでこのスカイラインを大事に管理していくという将来的な考えを持っており、「いつかはオールペン(全塗装)したいですね」と、愛車をリフレッシュさせる夢を思い描いている。

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