パリ五輪、芸能プロ幹部が明かす“敗れてもマネジメントしたい3選手” 「一番華がある」「コメント力すごい」
パリ五輪における日本選手団の活躍はスポーツ界の外からも熱視線を浴びている。日本は金メダル20個を獲得したが、五輪で輝くのは金メダリストだけではない。金メダルを取れずとも、個性や存在感を放ち、いつまでも記憶に残る選手がいる。過去に五輪選手と契約したこともある芸能プロダクション幹部に“敗れてもマネジメントしたい3選手”を挙げてもらった。
ストイックさで圧倒的存在感! 華やかさやコメント力も指標に
パリ五輪における日本選手団の活躍はスポーツ界の外からも熱視線を浴びている。日本は金メダル20個を獲得したが、五輪で輝くのは金メダリストだけではない。金メダルを取れずとも、個性や存在感を放ち、いつまでも記憶に残る選手がいる。過去に五輪選手と契約したこともある芸能プロダクション幹部に“敗れてもマネジメントしたい3選手”を挙げてもらった。
海外開催では最多となる20個の金メダルを獲得した日本。東京に続く連覇を達成した柔道男子66キロ級の阿部一二三や陸上女子やり投げで日本初の金メダリストになった北口榛花ら前評判の高かった選手が実力通りの結果を出す姿には日本中が興奮した。今後あらゆる分野でスポーツの枠にとどまらない活躍が期待されている。
一方で、勝者だけにスポットライトが当たるとは限らないのが五輪だ。金メダルを取れなくても、その戦いぶりや発言が注目を浴び、時に金メダリスト以上の印象を与えることもある。芸能プロは日頃、タレントのマネジメント活動を行っている。企業の広告塔としてふさわしいかどうか。バラエティーでやっていけるかどうか。その“目利き”は独特なものがあり、スポーツ選手やアスリートを含めて“金の卵”を発掘することも多い。
今回の五輪で、そのめがねにかなった選手は誰なのだろうか。
まず挙げたのは、陸上女子中長距離のエースの名前だ。
「田中希実ですね。コメント力がすごい。言葉を持っているし、哲学的じゃないですか。五輪に出る選手はみんなストイックでしょうけど、あまりそれを打ち出す選手はいないですよね。彼女はひときわストイックな感じがします。SNSでも頻繁に発信しない中、ちゃんとコメントを残せる選手。今の時代ぽくないですよね。彼女は気になります」
女子5000メートルでまさかの予選敗退。失意の中で挑んだ1500メートルは予選で接触し、11位に終わって号泣した。救済措置で準決勝に進む波乱の展開だった。決勝進出はならなかったものの、東京大会の自己ベストに迫る3年ぶりの3分台をたたき出す執念のレース。「神様のいたずらと言いますか、もう1回機会を与えていただいた」「私にとって今回は必要な時間というか、必要な試練だった。ただ理不尽な苦しみではなくて、私に与えられるべくして与えられた本当に幸せな時間だった」と前向きな発言も注目を集めた。
続いて2人目はレスリングから。女子50キロ級東京五輪女王として連覇を狙いながら、まさかの初戦敗退。最後は銅メダルを手にした須崎優衣を選出した。
「私はどうしても負けの美学を見ちゃう。1発目で負けたのが逆にインパクトがあった。またロスも見たいと思いますよね。彼女はビジュアルもいいじゃないですか」
ビネシュ(インド)との初戦で悪夢の逆転負け。絶対王者は一転、地獄へとたたき落された。それでも腐らず、銅メダル獲得後は4年後のロス五輪どころか、8年後のブリスベン五輪での連覇を視野に。「五輪チャンピオンの須崎優衣じゃなかったらもう価値がないと思っていた」と素直な気持ちを明かし、共感を呼んだ。“最強の銅メダリスト”の雪辱ロードはパリから始まる。
3選手の共通点は…「負けて泣いているだけだったらただの負けた人」
そして、3人目は男子マラソンで13位となった大迫傑だ。
「大迫傑ってめっちゃ色気ありますよね。一番華がある選手じゃないですか。彼は外したくないです」と絶賛。メダル争いにからまなくても、ベテランならではの走りと存在感を示し、「後ろ姿が哀愁感漂ってよかったんですよね。かっこいいなと思いました」との印象を受けた。試合後は完全燃焼と思いきや、「これで終わらずにロスに向けて4年、しっかりと準備してパワーアップできるように頑張りたい」と宣言。
「コメント力は完璧でしょ。前向きだし、(陸上)全体のことを考えている。優等生コメントは好きじゃないけど、彼の場合はすっと入っていく。反骨心もある」と“カリスマ性”をたたえた。
3人の顔ぶれを見ると、金メダルや目標に届かなくても、短期間での切り替えの早さやポジティブな姿勢が目立つ。そうした点が“業界外”でも高い価値を与えると評価されたようだ。