RIZIN笹原広報を直撃 資金調達騒動と「差し出がましいようですが」発言の真相

綱渡りの格闘技界 無観客大会は「想像のつかない」

――後ろ盾がない世界だと。

笹原 ええ。UFCみたいに完全に隔離してホテルに閉じ込めつつイベントができれば、それがベストウェイだと思いますけど、全てがお金に紐づいてくる話ですから、そこも含めて成立させるのは大変だなって感じですね。

――格闘技にとってはまさに受難の時代ですね。

笹原 こんなこと誰も予想していませんでしたからね。

――とはいえ、8カードが公になった中で、今の見所はどんなものでしょうかね?

笹原 当然、試合は個々に見所はあると思いますけど、収容人員の半分(今回は5千人)しか入れられない中で、どんな空気・雰囲気・熱が生まれるのか。それはまだ誰も見たことがないので、そこには興味がありますね。お客さんを入れてイベントを開く、というのはRIZINのこだわりではあるので、最近、新日本プロレスさんも観客を入れてやっていましたけど、少なくとも僕には観客のいないRIZINというのは、全く想像がつかないですね。

――確かに無観客で開催した大相撲には違和感があったので、「観客と一緒につくるのがRIZIN」(榊原CEO)というのはわかる気がしますけど、例えば新日本だと大きな声を出さずに、観客が拍手で反応していたって聞きますよね。

笹原 このご時世だとしょうがないとは思うんですけど、格闘技って感情が揺さぶられるものじゃないですか。せっかく試合を観に来たわけだから、好きに叫びたいでしょうし、好きに泣きたいでしょうし。それをこちらで「ヤメてください」っていうのはちょっとね、申し訳ない気持ちでいっぱいになりますよね。

――まだまだ山あり谷ありですね。

笹原 この時代の観戦方法が求められてはいるんでしょうけど……。

――首尾よく開催できたとしても、終わってから、そこから感染者が出る恐れもありますしね。

笹原 (うなずく)。

――ちなみにチケットの状況はいかがですか?

笹原 一般発売が7月19日なんですけど、現段階(先行発売)でもかなり動きが良いので売り切れるんじゃないかって感じです。

――それは良かった。通常の半分ですしね。

笹原 そうです。ここまでRIZINをやれなかったですし、観たいという気持ちは高まっているでしょうから。

――ただ、例え売り切れても、最終的に自治体から無観客を要請されることも想定しないといけない。

笹原 そうなったら….まぁ払い戻しするしかないですよね。

――ちなみにこの前の会見で、「目標金額に達してようやく大会ができる」と話されていましたけど、もし達しなかった場合は中止になるんですか?

笹原 目標金額に達しないで開催した場合には、「RIZIN.22」「23」を開催できたとしても、ちょっと先が見えないですよね。本当に大晦日とかできるのか? みたいなことになっちゃうかもしれない。

――あ、それは深刻な話だ。だとしたら余計にクラファンを始め、いろんなことが好転していくことを祈っています。

笹原 引き続き、よろしくお願いします。

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